鹿賀丈史が舞台出演中に血を吐いたのは大分前のことだったと思う。その当時、彼はウイスキーとタバコのCMに出ていて、そんなことじゃ体にいいわけないよと、CMと実生活は別物と誰もが知っていながら随分揶揄されたものだ。そう、彼はキャスターマイルドだかのたばこのCMに起用されていた。日テレの「TVムック」をごらんになっていた方ならおわかりだろう。大河ドラマ「黄金の日々」以来彼に赤マルをつけていた私にとって、あのCMはとっても雰囲気のあるなかなかのものでちょっとした“鹿賀ワールド”だった。忘れられない。 その雰囲気を醸し出していたのは、間違いなく使われていた音楽だ。ちょっとけだるいメロディーとハスキーヴォイス。すんごくそそるものがあった。あるときバージョンが突如変わる。鹿賀丈史とヴォーカルも前と同じだったし、歌も前のと同様とてもいい感じのものだった。だが、これじゃあ、いつこのシリーズのCMにお目にかかれなくなるかわからない、早いとここの歌手を押さえとかなくちゃと必死で画面の表示をチェック。見にくかったんだよねぇ、画面の歌手名と曲名。でも、どうにか大体のアルファベットを判別しCDショップへ。見つけたときはさすがに「やったー!」と嬉しくなったっけ。 NADJAの「月日星(チイチョホイ)」に収録の「VELVET RAIN」と「PRIVATE TRIPPER」がCM起用の曲。今聞いてもあの何ともいえない空気が蘇ってくる。それだけの名曲といっていいと思う。 が、CDを手にしてぎょっとしたのはNADJAというアーティストそのもののありようだ。その名前からも推して知るべし、エスニックさが持ち味というのは十分理解できる。けど……、歌詞カードの彼女すごいんだよねぇ。チャイナドレス姿は別にいいけど、頭のてっぺんからつまさきまでの体にぴ〜ったりフィットした豹だかチーターの衣装に身を包んで、かなり挑発的なポーズをしてる。ありゃりゃ、なんじゃこれ?というのが率直な感想。実は私、これの前のアルバムも購入してみた。そこでは、ハスキーがかった声は確かに自己主張の兆しを感じさせるが、まるでアイドル然とした様子。1枚目から2枚目に至るまでに随分と“目覚めた”のだなぁと感慨深かったが、いかんせん3枚目にはとうとう出会えなかった。うーん。 その後彼女の情報に接したのは、湾岸戦争のとき、親が現地にいてやっと脱出して日本に戻れたということで、空港での感激の再会がスポーツ紙に取り上げられたときのみだ。テレビでその紙面紹介を見たとき、彼女のエスニックさのルーツの一端を知ったような気がして納得したものだ。 ネットの検索でも彼女自身の情報としては見つけられないが、今はどうしているのだろうか。NADJAそのものはともかく、アルバム「月日星(チイチョホイ)」、もっと絞ったとして「VELVET RAIN」と「PRIVATE TRIPPER」は間違いなく名曲だ。若い人に知ってもらって聴き継がれていってほしいと思う。 |
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