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デフレも強気 高級ホテル、1泊最低6万3000円…セント レジス大阪10月開業

稼働率70%達成未知数

 デフレ経済が長引くなかで、大阪にまた一つ高級ホテルがオープンする。今年10月開業の世界的なホテルチェーン、米スターウッドホテル&リゾートの最高級ブランド、セント レジスホテル大阪(大阪市中央区)で、1室の宿泊料金は最低6万3000円程度。外資系高級ホテルの代表格、ザ・リッツ・カールトン大阪を上回る。ただ、東京に進出した外資系高級ホテルですら稼働率が伸び悩んでおり、経済規模が小さい大阪で、目標の70%の稼働率を達成できるかは未知数だ。

(船木七月)
セント レジスホテル大阪の客室のイメージ

 セント レジスホテル大阪の開業について、24日に大阪市内で記者会見した石原哲也総支配人は「2011年以降も世界で九つのセント レジスホテルが開業する。不況の中でも最高級ブランドホテルの需要は大きい」と自信を示した。

 同日に発表された料金概要によると、1室の最低の宿泊料金は、ザ・リッツ・カールトン大阪の4万6273円を上回り、大阪で最高価格帯。12室あるスイートルームは、17万〜92万円程度を予定しており、日本経済がデフレから脱却するきざしが見えない中で強気の価格設定が目を引く。

 その背景には、セント レジスが、世界の高級ホテルの中で一目置かれていることがある。迎え撃つライバルのホテル関係者は、「ニューヨークのセント レジスは世界のホテルマンの憧れ。大阪にもぜひ泊まってみたい」と語る。

 だが、新型インフルエンザとリーマン・ショック後の世界的な不況で、環境は厳しい。2007年前後に相次いで東京に進出した外資系高級ホテルも同様で、週刊ホテルレストランによると、06年度はグランドハイアット東京(港区)の稼働率が89・8%となるなど高い稼働率を誇る外資系ホテルが目立ったが、08年度はマンダリンオリエンタル東京(中央区)とザ・ペニンシュラ東京(千代田区)が共に63%にとどまるなど、多くの外資系ホテルの稼働率が60%台に落ち込んでいる模様だ。

 大阪は、東京よりビジネスや観光客の需要に乏しく、富裕層も少ないため、苦戦も予想される。国内勢で大阪を代表する高級ホテル、リーガロイヤルホテル(大阪市北区)の2月の稼働率は66・5%と前年同月に比べ2・2ポイント低下し、客室1室当たりの単価も前年実績を下回ったという。関係者からは「最低6万3000円という価格でやっていけるのか。いずれ3万円台のプランも出てくる」(大阪のシティーホテル)という見方が早くも出ている。

 

セント レジス
 1904年にニューヨークで開業、世界で20ホテルを展開している。日本進出は10月に開業する大阪が初めて。建物や部屋の重厚な造りと客の身の回りの世話をする英国スタイルのバトラー(執事)による手厚いサービスが売り物。
2010年3月25日  読売新聞)

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