2011年SSに向けての素材考察
「PVは何を発信し、市場は何を求めているのか?」
2010年2月に開催されたPremiereVisionは11年の春夏に向けてどのような素材の切り口を持つかで、様々な提案がありました。
90年代の内容やテーマの設定を考えてもこの10年の同展の変わりようにあらためて胸に押し迫るものがあります。
辛口の意見になりますが、PV展は何度見ても難しかったり、世界のレベルの高さを感じたり、アジアでの日本の存在感の変化を実感したりと複雑なものがあります。
価格の問題が大きなテーマになっている昨今でありながら、こなれた商品を作っている大ブランドほどPV展に来場していることや、色や素材の方向性や新技術を実際に触れることで情報を自分のものにしているバイヤーやトレンドセッターたちが大勢いることを思うと、この変化は当然のことなのです。
今回は様々なギャップを考えながら辛口トークをしてみたいと思います。
素材作りは後加工やブレンドにおける技術の進歩により、天然繊維、化合繊の枠を越えた質感、機能性を生み出した。
ハイテク素材の域では世界を大きくリードしている日本の素材開発ではあるが、それがそのまま日本のアパレル生産につながるとは一概には言えない。
産地や素材開発に係わる立場での大きな課題でもある。
素材展の最高峰であるPV展は毎回最新の情報を世界の業界に向けて発信する役割りを持つ。
しかしビジターにとって、作ることと売ることのギャップ、さらに現消費者の購買行動を見据えた情報をキャッチすることはかなり高いハードルでもある。
市場ではユニクロに代表される時代を捉えた感性と研究された機能性、そして価格と新しいビジネス感覚が認知された。
私自身も大のファンであり、毎日の愛用者である。
しかし、もの作りを考えるとここに標準をあわせることは難しいし、どこもユニクロである必要もない。
PVのポイントを4回にわたってご紹介したが、その中で実際の市場や商品企画を予想しての特徴は次の三つに絞って整理したい。
「ノンシャラン」 おおらかで優しさと強さを持ち合わせる新たな自然観。
「フォーマルウエアの改革」 伝統についての再考。守るべきものと変えていくべきもの。中には代替できるものもある。ダイバシティーについて考える。
「シャッフルする」という強い言葉を使ったミックス感やオプティミスティックな考え方。
この大きなくくりの中に「ノーティカル(海)」も「エスニック」も「クチュール感覚」も「スポーツ」も、それぞれのこだわりを持って新しい目を噴出している。
次回から市場の素材に目を移していきます。

2009年10月にオープンしたユニクロ・パリ店




2010年2月に開催されたPremiereVisionは11年の春夏に向けてどのような素材の切り口を持つかで、様々な提案がありました。
90年代の内容やテーマの設定を考えてもこの10年の同展の変わりようにあらためて胸に押し迫るものがあります。
辛口の意見になりますが、PV展は何度見ても難しかったり、世界のレベルの高さを感じたり、アジアでの日本の存在感の変化を実感したりと複雑なものがあります。
価格の問題が大きなテーマになっている昨今でありながら、こなれた商品を作っている大ブランドほどPV展に来場していることや、色や素材の方向性や新技術を実際に触れることで情報を自分のものにしているバイヤーやトレンドセッターたちが大勢いることを思うと、この変化は当然のことなのです。
今回は様々なギャップを考えながら辛口トークをしてみたいと思います。
素材作りは後加工やブレンドにおける技術の進歩により、天然繊維、化合繊の枠を越えた質感、機能性を生み出した。
ハイテク素材の域では世界を大きくリードしている日本の素材開発ではあるが、それがそのまま日本のアパレル生産につながるとは一概には言えない。
産地や素材開発に係わる立場での大きな課題でもある。
素材展の最高峰であるPV展は毎回最新の情報を世界の業界に向けて発信する役割りを持つ。
しかしビジターにとって、作ることと売ることのギャップ、さらに現消費者の購買行動を見据えた情報をキャッチすることはかなり高いハードルでもある。
市場ではユニクロに代表される時代を捉えた感性と研究された機能性、そして価格と新しいビジネス感覚が認知された。
私自身も大のファンであり、毎日の愛用者である。
しかし、もの作りを考えるとここに標準をあわせることは難しいし、どこもユニクロである必要もない。
PVのポイントを4回にわたってご紹介したが、その中で実際の市場や商品企画を予想しての特徴は次の三つに絞って整理したい。
「ノンシャラン」 おおらかで優しさと強さを持ち合わせる新たな自然観。
「フォーマルウエアの改革」 伝統についての再考。守るべきものと変えていくべきもの。中には代替できるものもある。ダイバシティーについて考える。
「シャッフルする」という強い言葉を使ったミックス感やオプティミスティックな考え方。
この大きなくくりの中に「ノーティカル(海)」も「エスニック」も「クチュール感覚」も「スポーツ」も、それぞれのこだわりを持って新しい目を噴出している。
次回から市場の素材に目を移していきます。
2009年10月にオープンしたユニクロ・パリ店