先進30カ国でつくる経済協力開発機構(OECD)は18日、日本の政策課題達成に向けた提言を発表し、民主党が公約した「子ども手当」について、「目的と対象を再検討すべきだ」と指摘した。就学前教育・保育や、幼児を持つ母親への支援を優先すべきだとの考えを示している。
鳩山政権は、中学生以下1人につき月額2万6000円(10年度は半額)を支給する方針。しかし、OECDによると、日本の就学前教育に対する公的負担の割合は加盟国中、最低水準。保育サービスの不足や保育料の高負担により、3~5歳の幼児を持つ母親の就労率も最低水準にあるという。
同日、東京都内で会見したグリアOECD事務総長は「女性が仕事と家庭を両立できるようにすれば、経済の生産性や競争力が向上し、出生率も上昇する」と指摘。財源が限られる中、保育サービスや就学前児童の教育に重点を置くべきだと強調した。【柳原美砂子】
毎日新聞 2009年11月19日 東京朝刊