シリーズ内容 本放送 再放送
第1回 悪意の肖像 〜マリー・アントワネット最後の肖像〜 2月1日 2月8日
第2回 美の呪い(のろい) 〜エリザベート皇后〜 2月8日 2月15日
第3回 運命の子どもたち 〜フェリペ・プロスペロ王子〜 2月15日 2月22日
第4回 戦慄(せんりつ)の神話 〜我が子を喰らうサトゥルヌス〜 2月22日 3月1日
第5回 見たこともない風景 〜死の島〜 3月1日 3月8日
第6回 怒りの果て 〜イワン雷帝とその息子〜 3月8日 3月15日
第7回 死を忘れるな 〜死と乙女〜 3月15日 3月22日
第8回 癒やす力 〜イーゼンハイムの祭壇画〜 3月22日 3月29日
語り手
中野京子 NAKANO Kyoko

北海道生まれ。早稲田大学講師。専門はドイツ文学、西洋文化史。著書に『怖い絵』『怖い絵2』『怖い絵3』(以上、朝日出版社)、『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』(光文社新書)、『危険な世界史』(角川書店)、『歴史が語る恋の嵐』(角川文庫)、『恐怖と愛の映画102』(文春文庫)、『おとなのための「オペラ」入門』(講談社+α文庫)、『オペラでたのしむ名作文学』『メンデルスゾーンとアンデルセン』(以上、さ・え・ら書房)など多数。訳書にシュテファン・ツヴァイク『マリー・アントワネット』(上・下、角川文庫)などがある。現在、文藝春秋の月刊誌「オール讀物」誌上にて「絵画で読む神話」、朝日新聞ブログ「ベルばらKidsぷらざ」にて歴史エッセイ「世界史レッスン〈映画編〉」を連載中。
著者ブログは「花つむひとの部屋」。 詳しくはこちら。(クリックするとNHKサイトを離れます)

第1回

〜マリー・アントワネット最後の肖像〜

「ロココの薔薇(ばら)」と讃えられた王妃マリー・アントワネット。死刑直前に描かれた肖像画が今回の「怖い絵」。描いたのは、ジャック=ルイ・ダヴィッド。ルーブル美術館におさめられている『ナポレオンの戴冠式』で知られる新古典派の代表的画家だ。ダヴィッドはどんな思いで、この絵を描いたのか。「怖さ」の秘密に迫る。
第2回

美の呪い(のろい) 〜エリザベート皇后〜

ハプスブルク帝国の美しき皇妃エリザベート。身長170センチ、体重50キロ、ウエスト50センチ。端正な顔立ちだけでなく、スーパーモデルなみのプロポーションだ。今回の「怖い絵」は、エリザベート28歳のまばゆいばかりの姿をとらえた肖像画。なぜ、この絵が「怖い」のか?そこには、エリザベートを生涯捉えた「美の呪い」がひそんでいた。
第3回

運命の子どもたち 〜フェリペ・プロスペロ王子〜

金糸を織り込んだ薔薇色の少女服に身を包み、幼児と思えない深い眼差しと静かなたたずまいを持った幼い子どもの肖像画。一見、かわいらしい子どもの肖像画に見えるが、そこには、何の罪もない子どもたちに託した人間の愚かな野望があった。
第4回

戦慄(せんりつ)の神話 〜我が子を喰らうサトゥルヌス〜

今回の怖い絵は、フランシスコ・デ・ゴヤの『我が子を喰(く)らうサトゥルヌス』。漆黒の闇を背負って立つ巨人。両目をむき、これ以上には開きそうもないほど大きく口を開け、前かがみで喰らっているのは、なんと我が子だ。文句なしに怖いこの絵には、さらなる恐怖が隠されていた。
第5回

見たこともない風景 〜死の島〜

スイスの画家ベックリンが描いた『死の島』。月光に照らされ、水面から立ち上がる孤島。海面をすべるように進む小舟には、白装束姿の謎めいた人物とこぎ手、そして棺が乗っている。画家を志しながら挫折したヒトラーは、ベックリンのファンで、執務室にはこの『死の島』の原画が飾られていた。死のシンボルがちりばめられた『死の島』の怖さと魅力を読み解く。
第6回

怒りの果て 〜イワン雷帝とその息子〜

ロシア・リアリズムの巨匠レーピンが描いた『イワン雷帝とその息子』。「雷帝」と恐れられたロシア皇帝イワン四世が、息子の言動に癇癪(かんしゃく)を起こし、反射的に長杖(つえ)を振り上げてしまった。ふと我に返ると、目の前で息子は血を流し、虫の息で倒れている。一瞬であれ、狂気に取りつかれるのは怖ろしい。しかしその狂気から覚め、自分のしたことを突きつけられるのは、なおいっそう怖ろしい。怒りの果ての恐怖に迫る。
第7回

死を忘れるな 〜死と乙女〜

オーストリアの画家エゴン・シーレが描いた『死と乙女』。絵に描かれた死神はシーレの自画像であり、乙女は彼の愛人だったヴァリ。荒涼たる風景のなか、愛の終わりが描かれている。いったい二人の間に何があったのか。男の愚かさを読む。
第8回

癒やす力 〜イーゼンハイムの祭壇画〜

ペスト、ハンセン病と並び、中世三大疾病といわれた「聖アントニウス病」。死に至る難病だった。当時、この病気を治癒する唯一の方法は、聖アントニウスを祀(まつ)った教会へ巡礼し、祈りを捧げることだった。看護にあたった修道会は、病に苦しむ患者の癒しになるよう、画家に絵を依頼。描かれたのが『イーゼンハイムの祭壇画』だった。絵画が人々の心に及ぼす「癒やす力」について考える。

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