北朝鮮抑留の米国人、韓国で英語教師として勤務

写真提供=新峰小学校
 北朝鮮が身柄を拘束し、このほど「起訴する」と発表した米国人アイジャーロン・ゴムズさん(31)は、2008年4月から昨年3月までの1年間、京畿道抱川市ソホル邑にある新峰小学校で英語教師として勤務していたことが、24日に確認された。

 同小学校のチョ・ギュシク校長によると、ゴムズさんは独身で、学校近くのアパートに一人で住んでいたという。「意思疎通の問題があったため、ほかの教師たちとの交流はあまりなかったが、物静かな性格で礼儀正しく、まじめな姿勢で子どもたちの指導に当たっていたと記憶している」と語った。また、ゴムズさんはソウル・梨泰院の外国人教会に通っていたとのことだ。

 韓国でゴムズ氏と親交があった英語教師のマーシャルレット・ワイズさん(33)は、AP通信とのインタビューに対し、「ゴムズさんは決してテロリストではない。毎週日曜日に欠かさず教会へ通い、異国での生活でさまざまな困難が伴う中にあっても、教師生活をあきらめなかった」と語った。

 一方、同じく韓国で英語教師をしていたジェラード・ライオンズさんも、米国国営ラジオ局「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」とのインタビューで、「ゴムズさんはキリスト教の伝道に大変関心を持っていた」と話した。米国の「クリスチャン・サイアンス・モニター」は、イギリスの北朝鮮専門家でリーズ大学教授のエイダン・カーター氏の話を引用し、「ゴムズさんの名前“アイジャーロン・マリー”は、聖書に登場する名前であり、(昨年末に北朝鮮へ入国し抑留された在米韓国人の人権運動家)ロバート・パクさん(韓国名:パク・ドンフン)のように、宗教的な理由で北朝鮮へ入境した可能性がある」と語った。

 北朝鮮がゴムズさんの入境の経緯などについて説明していないため、一部では「北朝鮮がゴムズさんを“人質”に仕立て上げ、外交カードとして利用するため、入境をでっち上げたのではないか」という疑惑も浮上しているが、韓国政府の関係者はこれに対し、「確認されていることは何もない」と語った。

抱川=権祥銀(クォン・サンウン)記者

パク・スンヒョク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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