韓国のサムスン電子は24日、不正資金事件の責任をとり2008年に辞任した李健熙(イ・ゴンヒ)前会長(68)が同日付で会長職に復帰したと明らかにした。好業績を背景にサムスンは韓国世論から強い追い風を受けており、再びグループを率いる好機と判断したもようだ。李氏復帰により、半導体や液晶パネルで積極経営にかじを切る公算が大きくなっている。
2月下旬に開いたサムスングループ各社の社長団会議で李氏に経営復帰を求めるよう建議。李氏が昨日、受け入れを決めた。サムスン電子会長職に就きながら、以前と同様にグループ全体の経営を差配する。取締役会には当面加わらない。
李氏は不正資金事件で猶予刑を受けたものの、長男の李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副社長(41)への世襲を巡る事件では無罪判決を得た。昨年末には韓国政府が特別赦免し、サムスン社内や財界からも復帰を望む声が強まっていた。
サムスンは金融危機からいち早く回復したものの、世界首位の液晶パネルで投資に二の足を踏むなど「司令塔不在」が指摘される。李健熙氏は足元の設備投資に加え、将来の成長を見込んだ新事業育成に注力する意向とみられる。(ソウル=尾島島雄)
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