電撃引退を発表した小比類巻太信(右)。左はK‐1の谷川貞治イベントプロデューサー=都内のホテル
K‐1ワールドMAXの草創期から活躍した小比類巻太信(32)=ブラービ ラガッツィ=が23日、都内で引退を表明した。12日に古傷の右股(こ)関節負傷が再発したためで、出場予定だったアンダー70キロトーナメント(27日・さいたまCA)は欠場するが、引退試合は行う意向だ。
「蹴れないし思い切り走れない。今後、一線で戦っていくことはできない。今後は引退のことを考えたい」‐。長らく苦しめられた下半身の故障に、引導を渡された。
05年10月に恥骨結合かい離、08年2月に両ヒザじん帯損傷、09年4月に右足首じん帯損傷で欠場した。小比類巻とK‐1の谷川貞治イベントプロデューサーの説明を総合すると、08年と09年の欠場の際にも右股関節の負傷があったという。
小比類巻は「謝りたい。たくさんご迷惑をおかけして申し訳ありません」と謝罪。「試合に出場したかった。チャンピオンになって世界に行きたかった」と、ついに届かなかった世界への悲痛な思いを絞り出した。
魔裟斗、武田幸三に続く引退劇。一つの時代が幕を閉じる。
(2010年3月23日)