|
きょうのコラム「時鐘」 2010年3月25日
「訓練は裏切らない」という。能登半島地震の前年秋に輪島市が門前地区で防災訓練をした時の教訓が、この言葉である
合併後初の試みだった。まさか大地震が半年後に来るとは思いもしなかったが、その時の大規模訓練が震災時の避難先指定や住民の安否確認に生きたというのである。毎年工夫する防災訓練の大切さは内閣府の防災広報誌「ぼうさい」で全国に紹介された 震災からきょうで3年。防災の知恵は過去に学ぶことが多いが、防災訓練は毎年同じことをしていればいいのではない。住民の年齢構成は年々変わる。街の形も変化する。地域の欠点も長所も変わっていく。訓練は毎年見直し、新しい視点を加えないといざという時に役立たない 暮らしの中に新鮮な防災の目をいかす人を「ソナエーター」と呼ぶ動きが広まっている。備えあれば憂いなしの「ソナエ」である。防災の課題は年とともに動いている。災害は予測を超えた形で襲って来る。経験則だけに頼っていては危うい 3年目といえばどんな分野でも過去を見直す時期である。震災3年目も、能登の明日をよむ節目の日にしたい。 |