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【大相撲】

把瑠都10連勝 きょう白鵬と全勝対決

2010年3月24日 紙面から

琴欧洲(左)に激しい張り手を繰り出す把瑠都=大阪府立体育会館で

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◇春場所 10日目

(23日・大阪府立体育会館)

 2場所ぶりの優勝を狙う横綱白鵬(25)=宮城野部屋=は平幕の土佐豊を左すくい投げで退け、大関とりに挑む関脇把瑠都(25)=尾上部屋=は大関琴欧洲を力強く寄り切り、ともに10戦全勝でトップを守った。大関日馬富士は豊響を渡し込んで9勝目を挙げた。時天空が負けたため、全勝の2人を1敗で追うのは日馬富士だけとなった。かど番の琴光喜は魁皇との大関対決を押し倒しで制して7勝目。魁皇は3連敗で5勝5敗となった。十両はトップの玉飛鳥と光龍が2敗を守った。

 場内を揺るがす大歓声も把瑠都の耳には入らなかった。「お客さんの応援を土俵に聞きにいくわけじゃないです」。琴欧洲をもろ手で押し込んでから右四つに。がっぷり胸を合わせると、100キロを超える握力でまわしをグイッと引きつけて寄り切った。

 「余裕あった? 何の余裕? いっぱいいっぱいです」。支度部屋ではトレードマークの笑顔を見せたが、「負けるということは考えてない」と執念をちらつかせた。

 10連勝の快進撃。そして、11日目は大一番だ。同じく全勝の白鵬に立ち向かう。「大事な一番。とりあえず自分の相撲を取りたい」。勝てば大関昇進はもちろんのこと初優勝まで見えてくる。

 「昇進? 意識してない。ほんとに。一番一番です。優勝? 優勝ですか? 優勝ですか?」と話題をそらしたが、「あしたが終わってから言います」と含みを持たしたところをみると心に秘める思いはある。

 武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)も「昇進のムード? あしたが大事だね。勝てばムードは上がってくる。優勝も見えてくる」という。

 東京・大田区に建築中の新しい尾上部屋が5月末に完成する。約70坪の敷地に4階建ての豪華なもの。その記念パーティーが6月12日に東京都内で行われる。大関に昇進した場合は、昇進披露パーティーをメーンにしてダブルでお祝いする予定だ。

 大関昇進だけしか考えていなかった大阪の後援会もてんやわんや。千秋楽打ち上げパーティーの会場は大阪市内。宿舎は大東市。時間の関係で宿舎に戻る時間がないことから、「優勝したら千秋楽翌日に地元でパレードをしてもらおうと考えてる」という。

 「疲れはあちこち。足首、ひざから腰とか感じる。でも気持ちは初日みたい」。把瑠都は周囲の盛り上がりを大きな背中で受け止める。 (岸本隆)

 

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