グーグルが中国本土で展開する検索サービスから撤退する。中国政府サイドのあからさまなサイバー攻撃や「発言の自由」の制限などは、グーグルはもとより、世界中の人々を驚かせたが、考えてみれば、こういう事態は当初から予想できたことであった。
中国共産党政権のいちばんのキーワードは、安定である。安定がすべてに優先する。社会の不安定は、すなわち現政権の不安定に直結し、共産党幹部の生活を直撃する。
そして、そのつぎに重要なキーワードは、コントロールだ。いうまでもないが、安定をもたらすためのコントロールである。
中国政府がなかなか人民元の切り上げに応じないのも、切り上げた場合の混乱が怖いからだ。したがって人民元相場はつねにコントロールできるようにしておくのが中国政府の基本姿勢である。そのために当局は、市場を注意深く監視している。
通貨以上に情報もまた厳重なコントロール下におかなければならないというのが中国共産党政権の統治原則であるかぎり、アメリカ生まれのグーグルとの衝突は時間の問題であった。
もっとも中国政府が神経を集中しているのは、グーグルより身内のメディアの記者たちの動きのほうかもしれない。かれらの一部は、まさに獅子身中の虫になりつつあるのだ。
〔フォトタイム〕
深川不動堂その2
深川不動堂は、東京メトロ東西線の門前仲町駅から歩いて数分のところにあります。
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