吐く息はまだ白いがもうすぐ4月。青森に来て3度目の春が来る。支局では3人の同僚が異動で、大きく環境が変わる。特に大学の先輩でもある(つ)の異動は私にとっては大きい。
青森に来た当初、このコラムで彼を「スーパーマン」のようだと書いた。私は具体的な差も分からず日々、夢中で彼の背中を追っかけてきた。だが、その差は広がったと思っている。
2年前には分からなかったが、彼は見えないところで苦労を重ねて粘って記事を書いていた。私はというと途中であきらめてしまうものもあった。
一つ私の成長がある。彼との差が具体的になったこと。それは取材の粘り。彼が残してくれたのは「粘りの大事さ」だった。胸に秘め、新しい春を迎えようと思った。(山)
毎日新聞 2010年3月24日 地方版