「元寇」を教えない対馬と九州の教育

2008/10/06 21:10

 

 

8月の対馬視察では意外な事実を知らされた。対馬の小中学校ではだいぶ前から、歴史の授業で『元寇』に於ける対馬侵略が教えられていない…と云うのである。

 

この話は複数の議員が現地の人と接触して確認している。ある対馬市民などは「元寇は福岡の話でしょ?」と軽く言ってのけた由。次回の対馬視察では、『蒙古襲来』に関する歴史授業の実情について調べてみる必要がある。

 

対馬だけではなく、福岡県太宰府市九州国立博物館常設展示でも「蒙古襲来」に関する展示が極端に少ない。私も何度か見学したが、どうやら意図的に「蒙古襲来」を避けている節がある。

 

特に酷いのが『蒙古襲来絵詞』複製展示の解説文。「蒙古襲来」とか「元・高麗の侵略」という言葉が全然無く、「対モンゴル戦争」(?)という珍妙な用語なのである。

 

これでは文永・弘安の役がまるで日本によるモンゴル侵略と勘違いするよう、児童・生徒を誘導しかねない表現ではないか。

 

この九州国立博物館はオープン以前の8年前、常設展示案が報道された時分から「九州と云う地域の特性を生かした内容にする」方針にも関わらず「蒙古襲来」展示が無く、問題視されていた。

 

つまり元(=中国)が日本を侵略した事実を隠したいという思惑があるのだろう。これは展示監修の歴史学者が親中派だった為か、中華人民共和国駐福岡総領事館の圧力があったのか、よく判らない。

 

九州国立博物館福岡県太宰府市

建築 設計・監理/菊竹・久米設計共同体

    施工/1工区:鹿島・間・高松特定建設工事共同企業体

         2工区:大成・西松・松尾特定建設工事共同企業体

 

展示 設計/丹青社・トータルメディア・NTT西日本設計共同体

   製作/丹青社・トータルメディア特定建設工事共同企業体

 

展示を請け負った「丹青社」はディスプレイ大手の上場企業、以前には長崎原爆資料館に於ける偏向展示も請け負った“実績”がある。

 

● また『元寇』自体の教え方にも問題がある。元の侵略は鎌倉幕府側に責任がある…という馬鹿げた論説が罷り通っているのだ。

 

モンゴル1271年より元)の意図は日本に朝貢させて(つまり臣下の礼をとらせて)服属させるものだった事が明らかなのに「元の国書は通商を求めたに過ぎない」とする解釈だが、これは日本を貶める偏向解釈以外の何物でもない。

NHKなどもそんな邪説に与した番組を流しているのだから問題外である。

 

そしてどんなに事実を捻じ曲げようと、文永11年(1274年)10月5日に来襲した元・高麗軍が対馬西海岸の各所で一週間に渡り一般島民を虐殺・拉致し、児童200人を奴隷として高麗に連行する等、暴虐の限りを尽くした事実は消しようがないのだ。

 

・もう一つ悪意の感じられる論説もある。当時の鎌倉幕府が対馬や壱岐などの離島防衛を初めから諦めていた、つまり見捨てたというもの。

 

この論説を唱える者の視野には、明らかに「沖縄」が入っている。

 

「沖縄は先の戦争で本土に見捨てられた」と主張し、被害者意識を増幅する。その感情の先に「米軍追い出し→沖縄独立論→中共支配」が繋がっている。

沖縄タイムスに出てきた金城信一氏が喜びそうな論説と云えよう。

 

しかし史実では、文永の役において対馬で玉砕した宗助国の軍勢の中に肥前(佐賀・長崎県)や阿波(徳島県)の御家人がいたことが記録されている。本土からの増援兵力が僅かながらも差し向けられていた訳である。

 

また弘安の役では、事前に派遣されていた「武幹の士」が島民と共に粘り強く戦っている。出身地も広範囲で、陸奥・出羽(東北地方)、上野(群馬県)、下野(栃木県)、信濃(長野県)、三河・尾張(愛知県)、遠江(静岡県)、近江(滋賀県)、丹波(京都府)、備前(岡山県)、筑前(福岡県)、日向(宮崎県)、肥前(佐賀・長崎県)、豊後(大分県)と、日本全土に及んでいる(『対馬島誌』)。

 

時代が飛ぶが沖縄防衛戦では、日本海軍は可動特攻機の殆どを投入し、戦艦『大和』以下の第二艦隊を出撃させている。それは「沖縄を取られれば終わり」という認識があったからである。

 

4月8日のエントリー、戦艦『大和』の沖縄救援

http://tafu.iza.ne.jp/blog/entry/536862/)で書いたように、『大和』の船倉には沖縄県民への救援用民需物資が大量に積載されたという秘話があり、決して見捨ててはいなかったのである。

 

本土が沖縄や対馬を見捨てていると主張する者たちの最終目標は、沖縄のシナ化と対馬の朝鮮化である。そのためにする歴史の偏向解釈、そして根本的に“教えない”という手段をとっている事を我々は認識して対処すべきであろう。

 

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