【ワシントン】オバマ米大統領は23日、9400億ドル(約85兆円)規模の米医療保険改革法案に署名し、同法が成立した。同大統領にとって就任以来で最大の勝利と言えるものの、中間選挙に向けた道のりは一段と険しくなる様相を示している。
オバマ米大統領は、「この日、ほぼ一世紀にわたる努力の末、また、1年間におよぶ議論の末、すべての投票が集計され、医療保険改革がアメリカ合衆国の法律となった」と表明。「春に移行した今週に議会がこの歴史的な法案を可決したことは非常に適切で、米国にとっても新たな季節を記す」と語った。
オバマ大統領のこの日の署名式には、亡くなったエドワード・ケネディ上院議員の夫人ビッキー・ケネディ氏と、上下両院の民主党首脳陣なども参加した。署名後、オバマ大統領とバイデン副大統領は内務省での祝賀会に出席。これには医療保険改革推進者や政権高官など、約600人の出席が見込まれている。
米下院は219対212の賛成多数で同法案を可決。共和党議員は反対票を投じた。オバマ大統領は同法に署名したものの、議会での立法措置は依然続く。上院民主党議員は保険助成金の増額や高額保険プランに対する税緩和などを含む修正条項を加えた一層包括的な法案の可決を目指す。
上院の共和党議員は一連の修正案によりこのプロセスを難航させる見通しで、法案の下院への引き戻しとなる可能性も残る。しかし、こうしたシナリオの公算は小さい。
オバマ大統領は、上院が修正条項を「迅速に」可決すると確信していると述べた。