手塚治虫さんの名作マンガ「鉄腕アトム」をミュージカル化した「アトム」の制作発表会見が23日、開かれた。手塚さん原作の「火の鳥 鳳凰編」をミュージカル化した「劇団わらび座」が東京都新宿区と共同制作する。
ミュージカルは、脚本・演出が横内謙介さん、音楽は甲斐正人さんが担当。振り付けはラッキィ池田さんが担当する。主人公トキオを「屋根の上のヴァイオリン弾き」のパーチック役の良知(らち)真次さん、ヒロインのマリアを「赤毛のアン」のアン役の五十嵐可絵さんが演じる。物語の舞台は、アトムが時代遅れの古びた型となり、すでに博物館に帰っている時代。アトムの心、電子頭脳だけが主人公の新しいロボット・トキオに残っているという設定で、ロボットの反乱やロボットと人間の愛などを描くという。
横内さんは「最初に話を聞いてアトムをどう出すのか、着ぐるみか女の子に角をつけるのか、と大まじめに考えましたが、結果、動くアトムは出ないことに決めました。みんなのイメージを崩さず、ファンが見ても納得してくる片りんがちりばめられたものになっています」と説明。「ロボットを使った『ウエストサイドストーリー』、アトムという青春ドラマになるといいなと思っています」と語った。
良知さんは「どういう髪形、服装になるんだと妄想してたんですが、そんなことはなくて安心しました。僕は今年で芸能生活10周年。今できるすべてをこの作品に注ぎ込みたいと思っています!」と意気込んだ。手塚プロダクションの松谷孝征社長は「アトムは2003年4月7日に高田馬場の『科学省』で生まれました。今年で7歳、小学校1年生になるのでちょうどいいイベントをしてくれるなと思って期待しています」とあいさつした。
6月19~27日に新宿文化センターで公演を行うほか、4月からは全国300公演を予定。同劇団の拠点である「わらび劇場」(秋田県仙北市)でも上演する。会見には、中山弘子区長らが出席した。【栗原拓郎/毎日新聞デジタル】
2010年3月23日