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【日韓歴史研究】竹島問題は研究できず 韓国側の反対で紛糾
【ソウル=黒田勝弘】日韓歴史共同研究委員会(第2期)で日本側は、日韓が領有権を争っている竹島(韓国名・独島)問題についても研究テーマに含めるよう主張したが、韓国側の強い反対で実現しなかったという。
ソウルの関係筋が明らかにしたもので、双方はいったん担当する研究者を決め、レジュメ(研究概要)まで交換したものの研究には至らなかった。この問題をめぐっては昨年夏の段階で、双方が大もめし、委員会の作業は一時、マヒ状態だったという。
日本側の当初の計画は、竹島問題を第3分科会の「近現代史」部分で取り上げ、この問題に関する戦後の処理状況や日韓交渉などを資料的に分析、研究しようというものだった。
韓国側は反対の具体的理由は明らかにしなかったが、韓国政府は「日本との間で領有権問題は存在しない」というのが公式の立場なため、研究を通じ双方の主張や対立点など「客観的な紛争状況」が公になることを嫌がったためとみられる。
竹島問題はこれまで、韓国では自国の立場、主張だけが一方的に伝えられ、日本に対する感情的非難が先行する状況が続いている。とくに世論やメディアでは、“愛国主義”のシンボルになっており、学者や研究者でも客観的な資料紹介や研究がやりにくい雰囲気だ。
研究委員会を主管する外交通商省としては、竹島問題の研究を通じ、自国に不利な資料や研究が出た場合、世論を刺激しかねない。このため研究テーマに加えないよう、舞台裏で委員たちに指示したものとみられる。