長崎市教育委員会は22日、市立江平中学校の男性校長(51)の私用パソコンから、同校の全生徒と2006年-08年度の卒業生計約200人分の氏名や住所などの個人情報がインターネット上に流出した可能性があると発表した。市教委はファイル名が流出したことは確認したが、中身まで流出したかどうかは不明としている。校長の親族が大学の授業で実習を受けた病院の患者データも流出した可能性があり、病院が確認を急いでいる。
市教委によると、同日朝、他校の関係者からの連絡で発覚した。市教委の聴取に対し、校長は、ファイル共有ソフトを使ってソフトをダウンロードした際にウイルスに感染したと説明。校長はわいせつ画像もダウンロードしており、市教委は「違法性があれば警察に連絡する」としている。
市教委は校外に個人情報を持ち出さないよう指導していたが、校長は約3年前からUSBメモリーにコピーして持ち帰り仕事をしていたという。
パソコンは親族と共用で、病院実習時の患者の症状などを含む文書ファイルも保存されていたという。同病院によると流出はファイル名にとどまり、中身の流出は確認されていないという。親族は「患者名はイニシャルで表記した」と説明、病院は仮に中身が流出しても個人が特定される恐れは低いとしている。
=2010/03/23付 西日本新聞朝刊=