2010-03-05 15:30:13

たまにはマジメな話

テーマ:病院

心理が始まる前から、退院して忘れたものを取りに行ったり、診断書を書いてもらうための手続きに行ったり、恒例のトイレに行ったり、それはそれは大変だった。

そこでエネルギーを消耗してしまった。

心理に入ってからも、出るのは病棟のグチばかり。

そして涙ぐむ。

S先生はひたすら聞くことに徹していた。

途中から疲れもあったのか、フリーズしてしまった。

表情が変えられない。

受け答えも出来ない。

ヨダレも垂れてくる。

S先生に「後もう少し時間はあるけど、何か相談したいことはありますか?」と言われても、何も反応できない。

「お休みさせてもらいましょう」と言って、担がれるようにして、処置室のベッドに寝かされた。

不甲斐ない処置で、涙が出てしまった。

S先生は「しばらく寝ていなさいね」と言って、去って行ってしまった。


その後は診察だった。

K先生が「入院はどうでしたか?」と聴くので「もう絶対にあの病棟はやめて下さい。休息になんて全然なりませんでした。拘束することが休息と考えられ、職員には不甲斐ない言葉を浴びせられ、わざとやってるだの、あなたは発達障害じゃないだの、演技してるだの言われて、何かするとすぐに拘束で、先生は拘束したことで休めてると思ってるし、めちゃめちゃです」と言うと、

「悪循環でしたね。悪い方へ出てしまいましたね。でもそれだけゆこたんは難しいんです。なぜならばここは発達障害の専門病院じゃないから。でも入院したからには、万全の力を注いでゆこたんの治療に挑みたいと思う。でもそれが今までの病棟では出来たのに、今回はどうして出来なかったのかは、僕には分からない。ゆこたんが昔境界例と言われてたように、誤診する人だっているんです。でもね、僕は前々から言おうと思ってたんだけど、ゆこたんは発達障害だけど、障害で本当に出来ない部分と、本当は頑張れば出来るのに、それをこっちで手助けしてしまってる部分があるように思えてきたんだ。分かる?障害だからどうしても無理なのに、頑張れ頑張れって言ったって、それは苦しい結果としかならないよね。でも最近のゆこたんは、その境界が曖昧になってきてないかい?それで我々は、どう手助けしていいのか迷ってしまっているんだよ。でもね、これだけは言える。さっき、ものを口に入れてしまうのは障害?って聞いたよね。僕は半々だと思う。障害の部分もあるんだろうけど、ものを口に入れられると、僕が現場監督者だったら困る。もうそこで僕は診れなくなってしまうんだよ。下手すれば違う病院の内科に行って、胃カメラで検査して診てもらって下さい。ってことになっちゃう。それくらい危険なことなんだよ。これから通所施設とか行くけど、食べ物以外のものは口に入れないって事が守れないと、ゆこたんの行動領域はどんどん狭まっていくし、本当にどこにも行けなくなってしまうんだよ。難しい話をしたけど、隔離・拘束を好む医者なんて一人もいない。みんな仕方なくやってるんだよ。僕だって食べ物以外のものを口に入れられたら、安全面から、隔離・拘束するよ。入院してはいけないとは言わない。でもせっかく戻ってきたんだから、次の段階へ進んでみないかい?始めから次の入院のことを考えるのではなく、今するべきことを一緒にやっていこうよ。整理するよ。ゆこたんは何もしなくていい。頭が混乱しちゃうからね。僕らの方で、ゆこたんを観察しながら、障害で出来ない部分、障害でも出来る部分、頑張らなければいけない部分を考えていくよ」

「ねぇ、発達障害ってなに?」

「音に過敏だったり、突然の変更に弱かったり、同じことの繰り返しが好きだったり、きっとこれらは全部ゆこたんに含まれることなんだろうけど、髪の毛の色にしたって、赤毛がかった黒毛とか、金髪がかった赤毛とか、人類には色々千差万別だよね。発達障害もそう。発達障害だからこういう人って言うんじゃなくて、発達障害だけどゆこたんはこんなことは得意とかあると思うんだ」と言っていた。

その時話している時は納得できるのだけど、その言葉全部を再現しろと言われると難しい。

私にはこんなような話に聞こえた。

かなり抜けてる部分もあると思うけど。



丁度20分休んでから、起き上がれるようになったので、お弁当を食べに行った。

話し言葉も少なく、いつものテンションではなかった。

その後、栄養指導があった。

体重はみるみる減っていた。

でも基礎代謝は減っていた。

筋肉量も減っていた。

余りいい減り方ではないようだ。

単に食べてないだけという減り方。

栄養指導が始まって10分くらいたった頃、また受け答えが出来なくなってきた。

何を聞かれても、頭を素通りするのだ。

そのまま眠りの世界へ入ってしまった。

栄養指導の先生は外来へ電話をして、ヘルプを求めているようだった。

間もなく車椅子が到着し、近くにある職員食堂にいた男性職員の手を借りて、車椅子に乗り、また処置室に運ばれた。

今度は完全に寝入ってしまった。


発達障害は難しい。

色んなタイプがある。

今回入院して、やっぱり一番真剣に考えてくれてるのは、K先生だなと思った。

どうしてこんなに疲れてしまうんだろう?

彼と電話で話したい。

私からかけるから。

でもそんな力も余り残っていない。

彼も風邪を引いていて、辛そうだ。

3/9、それは久しぶりのデート。

私は本当になんお手助けが必要なのか?

何が苦手なのか?

本当は何でも出来ちゃうんじゃないか?

いや、誰かの手を借りないとやっぱり何も出来ないのではないか。

精神科で発達障害を診るのは難しい。

統合失調症とは違うから。

奇妙、きてれつ、それが私。



コメント

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1 ■おひさしぶりです。入院お疲れ様でした。

もうお忘れかもしれませんが、久しぶりに書かせてもらいました。
お疲れ様でした。

できることとできないことの境目。
目や耳から少しずつ入れている手本が、ある日突然できたりするんですよね、私も。
頭の中で“ダウンロード完了”になる瞬間がある。実行して、欲を言うなら成功して誉められると“インストール”も完了になる。そして頭にセットされてしまう。
周りから見たら「どういうことだ。今までさぼってたのか?」になりますよね。

ゆこたんさんは、前にやめていた、発達障害系の本の読書を少しずつ再開してはどうかと思いました。
文字から入る情報を、一番安定して受け取れるように思います。
病院はゆこたんさんの障害の構造の分析を必死でやってくれているようですね。
でも、本を参考にした自己分析も少しずつ織り交ぜて行くと、分析はもっと早まらないでしょうか。
施設は分析までは手が回らないと思いますが、構造が分かって職員で情報共有できるようにならないと、将来親御さんの代わりに対応し続けるのは大変です。
本を読んだ分、セカンドオピニオンを受けなくても何人分もの医者の見解を知ることができます。はまり過ぎたら、距離を置けばいいのです。私はそうできました。

ちなみに私は職場で自己分析を「早くやって詳しく出して」と急かされてます。

毎年何回かありますが、集中して悩まされる時期がくると、一週間頭と体が忘れるんですよ。お手洗いの「大」を。週末にはっ!と関係器官が起動しだします。2月からこれが続いてます。
痛いんですよ・・・。
ASが何かに集中すると、頭か体、または両方のバランスが壊れだすんですよね。

ここを見つける前にグーグルかどこかでお噂を見たのですが、ゆこたんさんはむかし文献に登場したのですか?本当ですか?
でしたらその本、読みたいです。

2 ■Re:おひさしぶりです。入院お疲れ様でした。

>あかべこさん
当事者の本ですか。
今は気分的に余裕がないけど、落ち着いたらまた本を読みたいな。
あれは確かに参考になりますよね。

私は文献に出てませんよ。
どこかで引用されてるとしたら、こっちがビックリです。

3 ■SSTに行ってきて

ゆこたん、昨日は辻井先生のトレーニングに行ってきたのかな??
 私は前にも話した当事者のみのグループのSSTで自己紹介トレーニングに行ってきました。
 自己紹介の講師の先生は女性で優しく、リラックスしてレッスンをする。小グループで会合して自己紹介をする。私の話し方は話が聞き取りにくいのと、コミニュケーションを取ろうと努力している。そういう話し方だといわれた。
 当事者の人が口をあけて発音するといいといわれた。当事者のアドバイスは、支援者のように説教ではないからすっと入る。
(ココだけの話、T先生も上から目線で見ている時がある。)
 ためになるトレーニングだと思った。あのあと口を動かすトレーニングを今もやっている。効果はあると思った。

4 ■隔離・拘束はしたくないのが、医者の本音。

 医者の本音は隔離・拘束はしたくないか・・・。誠実な医者ほどそうかもしれない。
 それでも仕方なくやっている。これも医者の本音だろう。患者であるゆこたんにあえて言うから、医者の方も何か感じるものがあるのかもしれない。

5 ■相談、支援者とのコミニュケーションについて・・・・・

ゆこたん、私の住むグループホームでは月1回の水曜日、支援者と住人のミーティングをする。
 昨日がそのミーティングだったのだが、6月に産休に入るAという女性リーダーに「情報が私のところに伝わらない。どうしよう。みんなが噂している内容が誰も伝えないとH学園の食堂の食洗機が故障して、発泡スチロールの容器に変わった。」というとAリーダーは「支援者とコミニュケーションを取ればいいんじゃないですか。
 この年度末だから言わせていただければ、ぶじこれきにんさんは自立度の高い人とH学園の支援者は見ています。
 支援者とコミニュケーションを取った方が良い。」という。
 意見は正論だが、語っているAリーダー個人が産休に入るし、いまいち説得力がない。言葉に私を思う気持ちがない。
 理解している姿勢すらない。
看護師や、Kさんとコミニュケーションをリアルの場で取っているゆこたんはこのことをどう思いますか??ゆこたんの意見は私のことを理解している人の意見なので参考にして取り入れます。
(共済会のときのように)

6 ■Re:相談、支援者とのコミニュケーションについて・・・・・

>ぶじこれきにんさん
私はT先生の当事者のワークショップに行ってました。
アスペの会の職員が沢山来ていました。
でも毎年T先生のワークショップに出ていると、なんか前もこの話聞いたよな・・・という内容ばかりの気がします。

グループホームのミーティング。
私は自立度が高い人ほど、支援者と交流を取らないで、離れていくものだと思ってました。
だって自立度が低いって事は、まだ支援者の手が必要ってことでしょう?
せっかくグループホームにいるのだから、支援者はおおいに利用した方がいいですよ。
当事者同士だともめがちになってしまうでしょ?
産休に入る職員の意見も一理あるなと思いました。

7 ■支援者の上手な活用。

最近グループホームの隣にサロンが出来て、ベテラン支援者同志話をする。貴重な情報が手に入る。
 支援者はベテランほど、人生経験が豊富だから、こちらが聞く事で得られる物がある。(若手支援者も同様)
 支援者の私なりの上手な活用法がある。支援者の話を聞いて世界が広がる事もある。

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