パ３連休開幕に水差す空白の３日間　２カード目セと重なり効果半減

(夕刊フジ)

　セ・リーグより一足先に２０日開幕のパ・リーグだが、その後に３日間の空白がある。せっかくセ・リーグに先んじて開幕、大いに盛り上がるのに、いきなり冷却期間を置く変則日程はどうしたことか。理解不能だ。

　セ、パ誕生６０周年の昨年は同時開幕だったが、今年はパ・リーグが６日先行して開幕。土曜、日曜、祭日の３連戦開幕にこだわっているからだ。もちろん観客動員大幅増が狙い。開幕３カードの話題性も十分にある。

　札幌ドームで、リーグ連覇を目指す日本ハムの大黒柱・ダルビッシュｖｓ本社創業３０周年に初のリーグ優勝を狙うソフトバンクの左腕エース・杉内の対決。西武ドームでは、昨年の４位から１年ぶりのＶ奪回を狙う西武のエース・涌井ｖｓロッテ・西村新監督からエース復活の期待をかけられている１歳年上の成瀬という、横浜高校の先輩、後輩対決。京セラドームでも、岡田監督がオリックスの新エースに指名した金子ｖｓブラウン監督率いる楽天のエース・岩隈が激突する新監督対決。

　３球場それぞれ話題満載の開幕戦が行われ、３連休とあって狙い通りに３連戦とも観客動員も期待できる。しかも、セ・リーグよりも先行し、マスコミの露出度も大きくなり、スポーツ紙の１面を占拠することも可能になる。となれば、その勢いをかって、２６日のセ・リーグ開幕を前にもう１カードを行い、盛り上げを図ればいい。

　ところが、２３日から２５日までいきなり空白の３日間がある。セ・リーグのオープン戦も２２日の横浜対巨人戦（横浜）が最終戦だから、プロ野球そのものが３日間、１試合もない。パ・リーグ開幕３連戦の後に、熱気に水を差す空白の３日間は百害あって一利なしだ。

　再スタートの２６日からは、セ・リーグの開幕３連戦にファンの注目が集まるのは必至。いくらパの開幕投手たちが再登場しても、セの今季開幕というアピール度には勝てない。開幕直後の３日間の空白は、パ・リーグの盛り上がる開幕を竜頭蛇尾にしてしまう。「３連休に開幕３連戦」という、せっかくのアイデアも二の矢がなくては効果半減だ。（夕刊フジ編集委員・江尻良文）