カンボジア政府が、カンボジア国民と韓国民との結婚を今月から禁じる命令を発し、韓国大使館に通知していたことがわかった。外務省のクイ=クオン報道官が今日19日発表した。
昨年9月、結婚斡旋を目的に地方のカンボジア女性25名を都会へ連れ出して韓国男性1人と見合いさせた業者が今月、実刑10年の判決を言い渡されたことを受けての措置とみられる。
カンボジアでは2007年から2008年にかけて、貧しい女性や教育を受けられなかった女性を対象に韓国人男性との国際結婚を仲介する事例が爆発的に増加し、韓国へ連れて行かれたカンボジア人花嫁が悲惨な境遇に陥り、売春を強要されたりする事例が急増したことが国際移住機関(IOM)のレポートで明かされたことを受け、2008年4月に全面的な国際結婚禁止令が発令された経緯がある。これは韓国人のみならず、あらゆる国籍の外国人がカンボジア人と結婚することを禁じたもので、多くのカップルがその影響を被ったが、その後、韓国人への審査を厳重化することを条件に、この禁止令は廃止されていた。
今回の禁止令はこの時とは異なり、韓国人だけを明示的に結婚禁止対象に指定したものとなっている。相手国籍を指定しての結婚禁止令は国際的にも珍しく、韓国への人身売買に関するカンボジア政府の問題意識の大きさを印象付けた恰好だ。
韓国の聯合ニュースが今日19日報じたところによれば、韓国大使館関係者は「日本などの外国大使館に照会してみたところ、今回の措置が韓国に対してだけ行われたものであると確認された」と述べるとともに、「『コリアンドリーム』を抱いて韓国行きを望むカンボジア人は多い。人身売買とは関係ない」としてカンボジア政府の理解を求めていきたい考えを明らかにした。
韓国人男性と結婚したカンボジア女性の人数は、2008年の551人から2009年には1,372人に激増している。韓国のMTニュースが今日19日報じたところによれば、韓国人との結婚はカンボジア人の国際結婚の60パーセントを占める。
2010年03月19日 カンボジアウォッチ編集部
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