Friday, August 15, 2008

真光の祖師岡田光玉の説く日本と世界の歴史 (Okada's teachings concerning the history of Japan and the world)

To the English reader,

Okada strongly disparaged other religions. He likewise ran down the history which we learn.
I previously quoted some of his statements on the history of the world and Japan in "The world of Mahikari" (Jan. 2007).
In this post I show more of Okada's teachings concerning history along with the previous quotes.

He states that the history of mankind is 'full of lies', 'strengthened by lies', 'wrong', 'deceptive', 'full of irresponsible falsehood', etc.
He even calls the history known to us "superstition of the history of mankind which originates from the history of the 'superstition of the history'. " --- whatever he meant by that!
There are no solid facts, among what he says, to support his claims.
Then he says that every country has been teaching this outrageous, irresponsible, false history, and that Japan, which is the main family with the origin of everything, has been teaching this false history, too.

In Japanese discussion sites, in response to the quotes of Okada's teachings about history being full of all sorts of lies, there are comments that Mahikari itself is full of all sorts of lies.

----Phoenix3000


岡田光玉(本名:良一)は他宗教のことを相当けなしましたが、〔注1〕同様に、私達が学ぶ歴史のこともぼろくそに言っています。

「真光の世界とは」(2007/1)で、世界と日本の歴史について光玉が言ったことを幾つか紹介しました。重複する部分もありますが、このポストではこの点についてもっと取り上げてみます。

『神向き讃詞解説』(昭和57年<1982>発行)の『第二章宗教の無力化』の『(四)ウソ八百の人類史』(p70−81)の項から、歴史に関する光玉の教えを拾ってみましょう。

  今日の宗教が、なぜ哲学化し形骸化してしまったのか、という問題になるのですが、これは、人類歴史があまりにも、ウソ偽りに満ちたままで、元をわからぬようにしてきた結果だと私は結論づけています。
  人類の歴史は、あまりにもごまかしすぎてしまった。でなかったら、研究しないままという外ありません。その証拠に、仏教の歴史をみても、キリスト教の歴史をみても、ウソ八百があまりにも多すぎます。日本の神道界にしてもその通りで、...  (p70)

  いかに世界の歴史を誤り、いかに日本の歴史を誤って、信仰の元にさえなる勝手な新興歴史を作ってきたか、これはあまりにもひどすぎるといわざるをえません。 (p71)

  自分達の先祖が、メソポタミアの文明や、ギリシアの文明などとはお話にならないような、古い文明を受け継いで、もっていたということすら、現代の日本人は知らない。一口に言えば、それほど騙されてきたということです。  (p72)

  人類は、太古の発祥からの立派な歴史があるにもかかわらず、世界におけるあらゆる文明が、それこそズタズタ切りにされ、湮滅と短見な自己本位の抹殺に明け暮れてしまった事実も見逃せないことです。
  一口で言えば、人類の歴史は、「湮滅と抹殺と改竄の歴史である」と言っても過言ではないでしょう。  (p73−74)

  したがって、どうしても、人類の発祥の歴史を明らかにしなければなりません。天地創造の歴史を、はっきりしなければなりません。  (p74)

  ...日本はすでに世界最古の文明民族であったことの確信を、まず自らつかんでゆかなければなりません。  (p75)
  
  これまでの歴史はいかに嘘が多かったか、嘘で固められていたかということがはっきりとしてきます。  (p76)

人類の歴史はウソ偽りに満ちている、嘘で固められている、誤りである、騙しである、あまりにもごまかし過ぎた、あまりにもひどすぎる、等と言い、歴史を否定します。

『歴史の迷信』とまで言い、歴史は、嘘八百、とんでもない、いいかげんな偽りであり、あらゆる歴史が嘘を言っている、との光玉の教えが以下の引用文にも見られます。

  そこへもってきて、”歴史の迷信”がある。嘘八百の歴史を教わって、それが人類の歴史であり、日本の歴史であるかの如くに思わされてきた。  ーー真光誌317(平成元年<1989>2月号)p24/真光誌269(昭和60年<1985>2月号p22)

  すなわち私が立教以来叫び続けて参りました。究極は何か「歴史の迷信」歴史から生じてくるところの人類歴史の迷信 ・・・・とんでもない、いいかげんな偽りの歴史を各国が教えてきた。本家本元の日本がそうである。    ーー真光誌189(昭和53年<1978>6月号)p16

  あらゆる歴史や学問がよろめき、嘘をいい、真理の峰の方に迷蒙の雲をかけざるをえない状態となってしまったのです。  ーー『神向き讃詞解説』p516

  それからもう一つは、日本、いや世界中の迷信になっている・・・・・日本が新しい国だという考え方がある。これは全くの迷信なんだ。  ーー『御対談集』p378

『人類の歴史』『これまでの歴史』『あらゆる歴史』--- 漠然と歴史全般をひっくるめて『嘘八百だ』『迷信だ』『嘘で固められている』『とんでもない、いいかげんな偽りである』等と断言しているのです。随分乱暴な教えです。

部分的には湮滅や抹殺、改竄はあったことでしょう。特に日本は不都合なことに対して、湮滅や改竄など、相当やって来た、と見る人々もいます。〔注2〕 残っている記録に嘘も混じっているかもしれません。しかし、『歴史は嘘八百である』とか『人類の歴史は、「湮滅と抹殺と改竄の歴史である」』と単純化するのは、どういうものでしょうか。

『歴史の迷信』というのも、変な表現です。「日本、いや世界中の迷信になっている・・・・・日本が新しい国だという考え方がある。これは全くの迷信なんだ」とも言っていますが、光玉は自分の説に合わないものは『迷信』だと決めつけることが好きだったようです。 〔注3〕 一般的なものを『迷信』だ、と決めつけることによって、逆に、自分の説は(どんなに根拠がなくとも)迷信ではないぞ、と印象付けたかったのでしょう。

自分の説への自信のほどが、次の引用部分の中にも現れています。

  段々日本の本当の歴史、これを調べなければならなくなってきました。  ーー『神向き讃詞解説』p25

  今日までの本当の歴史が隠されてきているために、仏教、キリスト教その他あらゆるものの本質がわからなくなってしまっているというわけです。  ーー『神向き讃詞解説』p313

  歴史をどうしても正してゆかなければならなくなるわけです。  ーー『神向き讃詞解説』p230

全世界の歴史そのものが、全部ひっくり返らなければなりません。  ーー『神向き讃詞解説』p219

  五大文明と五大宗教の大元は全部霊(ひ)の元つ国(後世日の本)にある
  世界の歴史は書き換えの要切実である。  ーー中級研修テキスト第二十一・文字の元は霊の本つ国 — 抹殺されている歴史

  私としましても、何でも日本は世界より新しい、とする先入主観による誤った見方を、あらゆる面で是正して、正しい日本歴史はすなわち世界歴史である、ということを皆が知るようにしたいと思っています。  ーー『神向き讃詞解説』p609/『30年史』p231/『御対談集』p96  〔注4〕

光玉は歴史は嘘八百、歴史は迷信である、と決めつけているわけですが、では、嘘でない歴史、迷信でない歴史、とは何なのでしょうか。

散在する光玉の教えをできるだけまとめてみると、日本が世界最古の文明民族で、世界で一番古い国である、と謳う歴史である、ということになります。また、日本の歴史が人類発祥の歴史でもあり、天地創造の歴史でもある、ということです。そう語る歴史が、正しい、本当の歴史であり、そのような日本の『正史』が世界の歴史そのものである、それが『太古の発祥からの立派な歴史』というわけです。この『本当の歴史』が今日まで隠されて来たが、自分はこの『本当の日本の歴史』を調べた、この『本当の歴史』の方が正しいのであるから、世界中で一般に教えられている歴史は嘘八百であり、誤っている、この嘘偽りの世界の歴史を、この『本当の歴史=正史』に合わせて『正し』『書き換え』『是正する』必要がある、というわけです。

次の引用部分の中では『世界統一の真正歴史』とまで言い、それがあたかも既成の事実として確立するようなことを言っています。

   今日では、世界統一の真正歴史が出るような兆しが見えてきていますし、考古学とか人類学とか生物学というような分野でも、立て直しが行われだしておりますから、あるいは迷蒙の雲を突き抜けることが出来そうになってきたのではないかと思えます。  ーー『神向き讃詞解説』p516

   それからもう一つは、日本、いや世界中の迷信になっている・・・・日本が新しい国だという考え方がある。これは全くの迷信なんだ。日本は事実世界で一番古い国で、古文献にもちゃんと残っている。
   そこで日本の本当の正史というものを教える。人類の発祥というのは歴史的に、文献としてどこにこれ以上のものがあるかというものを出す。そして一方、日本の考古学界、あらゆる植物学、地質学、海洋学を総合して行って、日本の地質が一番古いとか、発掘されたものが一番古いとかいうことを証明していき、日本の古さを常識的に教えてしまう。  ーー『御対談集』p378−379 〔注5〕

今のところ世界最古の縄文土器が日本で発見されているからといって、それが、<メソポタミアの文明や、ギリシアの文明などとはお話にならないような、古い文明が日本にあった>という証拠になるのでしょうか。<メソポタミアの文明や、ギリシアの文明などとはお話にならないような、古い文明>が実際には日本に存在しないならば、日本にそのような古い文明があったと主張する方が、『先入主観による誤った』説となるでしょう。そして、実際には存在もしない古い文明を日本が<受け継いでもっていた>とは言えなくなります。たとえ立派な遺跡があっても、現在そこに住む人々は別の民族かもしれません。つまり様々な角度からの調査が必要なはずです。

<メソポタミアの文明や、ギリシアの文明などとはお話にならないような、古い文明>が日本に見当たらない以上、日本が『事実世界で一番古い国だ』『世界で一番古い文明民族である』と断定することは、そうあって欲しいという願望(或いはそうであるはずだという妄想)が光玉にあって、この願望(または妄想)が彼の頭の中では『事実』になってしまっているとも考えられます。確かに日本は現存する国で世界最古の国家ということです。 〔注6〕 しかしそれは光玉が説く『日本が世界で一番古い国である』とは同一ではありません。光玉の教えでは、日本は人類発祥の地であって、その時から存在した、世界で一番古い国である、ということなのです。 〔注7〕

日本が『世界で一番古い国である』『世界最古の文明民族である』ということを現代の日本人が知らないのではなく、そのような説は事実にはならない、というのが実際のところでしょう。また、<それほど騙されて来た>というのは、確たる事実でないことを勝手に確たる事実であるとする出発点に立った光玉の説が、さらにとんでもない方向に向かっていることを示す表現で、光玉の教えのひどさを一層示していると言えるでしょう。<騙されて来た>のには<騙して来た側がある>ことになり、誰が騙して来たのか、と言えば、世界の国々と日本自体が騙して来た、と光玉は言っていることになります。このような根拠のない教えを振り回す方が、信者を騙していることになりませんか。

率直に言って、光玉は現実離れしたことを平気で言っています。『世界におけるあらゆる文明が、それこそズタズタ切りにされ、湮滅と短見な自己本位の抹殺に明け暮れてしまった』とするのも事実上の根拠がなさ過ぎます。しかも、『湮滅と短見な自己本位の抹殺に明け暮れてしまった事実』と述べて、ここでも自分の説を勝手に『事実』にしてしまっています。確たる根拠のないことをこれこそが事実であると断言する方が、勝手で、視野の浅い、自己本位の見本であると言えないでしょうか。

日本は世界最古の文明民族である、人類発祥の歴史がある、日本の正史は世界の歴史である、という『先入主観』を大前提にして、この説に合うものなら偽史であろうと、捏造話であろうと、何でも使って、この説の方が『本当である』と、光玉は提示しています。<人類の歴史が、あまりにもごまかしすぎてしまった>その証拠が、<仏教の歴史をみても、キリスト教の歴史をみても、ウソ八百があまりにも多すぎる>ことである、というのも筋が通りません。<仏教の歴史やキリスト教の歴史にはウソ八百があまりにも多すぎる>といつ、どのように確立されたのでしょうか。意味が漠然としていて、確かめようのない陳述を持ち出しても、何かを証明する『証拠』とはなり得ません。それとも光玉が言うことだから、それだけで充分なのでしょうか。

歴史をきちんと学んでいた知人は、歴史に関する光玉の教えを読んであきれ、間もなく真光を去りました。一方、真光思考枠にはめられた見方をしていた私の方は、「でも ..真光の業があるから」とか「ご霊さんが真光から引き離したのかな」とか思いました。心のどこかで変だな、と感じてはいたのでしょうが、教えそのものを疑問視したり、その真偽を問うこともなく、何が事実で、何が嘘かについて、光玉(及び彼に続く教団)任せになっていました。

こうして振り返ってみると、教えを説く時の光玉の自信に満ちた口調に触れるたびに、その自信は自分でもそう信じ込んでいることから来るものなのか、それとも自信をもってしゃべれば、その真偽には関係なく、簡単に信じる人も出て来るということを知っていて、使った心理的トリックなのか、との疑問がいつもつきまといます。



〔注1〕「諸宗教の役割と真光(2008/3)」「宗教と真光の神」(2008/5)
〔注2〕ネットで紹介されていたサイトを一例として挙げておく。「日本の陰謀(2)」p4(85−4)http://japansconspiracy.hp.infoseek.co.jp/0202/p004.html#page127
〔注3〕真光誌189(昭和53年<1978>6月号)(p16−17)には光玉の教えの中に『歴史迷信』『科学迷信』『医学迷信』『宗教迷信』が挙げられている。
    真光誌317(平成元年<1989>2月号)(p23)では『思想迷信』が加わり、『五つの大迷信』(p27)としている。そして『史上空前の人類迷信時代』(p24)との言葉を使っている。
    『御対談集』では『全人類史上空前絶後の一大迷信時代』(p26)と『断言』している。
〔注4〕昭和40年8月の日付のついた、賀川光夫氏(当時—別府大学文学部部長)との対談中の光玉の言葉。
〔注5〕昭和49年3月の日付のついた、高橋武彦氏(当時―毎日新聞社常務取締役)・緒方彰氏(当時−NHK解説委員長)との対談中の光玉の言葉。
〔注6〕ウィキペディアによる。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%9C%80%E5%8F%A4%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

〔注7〕『神向き讃詞解説』『御対談集』でも光玉は次のように言っている。
    
    世界最古の人類発祥地、五大文明・宗教の発祥が日本であり、それが何千万年の間にそれぞれ大変複雑に発育し文化して、再び日本に逆輸入されてきたのが、現代の日本である ..ーー『神向き讃詞解説』p201
    人類の祖はわが日本に天降られ、それから五色人の祖が生まれ、全世界に人類が広がったということなのです。  ーー『御対談集』p101−102
    


ーー火の鳥Phoenix3000