検察が判決文読まずに控訴、その理由とは
ソウルのある裁判所に所属する判事が、判決後1週間が経過しても判決文を提出せず、検事が判決文の内容を読むことをできないまま控訴していた事実が明らかになった。
最近、刑事事件の裁判を担当したA判は、昨年9月から半年間に15件の裁判で被告に無罪を言い渡し、このうち9件の判決文を控訴期限である判決7日後までに提出しなかった。
大法院(最高裁に相当)の例規上、裁判所は判決から3日以内に判決文を検察に送付しなければならず、被告にも求めに応じ、1週間以内に判決文を送付することになっている。このため、判事は一般に判決言い渡しから1-2日以内に大法院のシステムに判決を入力し、検察が閲覧できるようにしている。
判事が判決文を登録せず、判決文を1週間にわたり閲覧できなかった検察は、判事の口頭による判決内容で控訴すべきかどうかを決定しなければならなかった。検察は判決文に代わりに、証拠資料や弁論要旨などの裁判記録の提出を求めたが、問題の判事は「検討中」との理由で大部分を拒否したという。A判事が7日目以降に提出した判決文は大半がA4用紙で5枚ほどだった。
検察関係者は「無罪判決が出た場合、担当検察庁で委員会を開き、控訴の是非を決定するが、判事が判決文を提出せず、控訴理由を明確に検討できないまま控訴した。これは明らかに判事の職務怠慢だ」と主張した。
これに対し、A判事は「先月の人事異動を控え、複雑な事件を後任者に引き継がないように、無罪事件を多数処理した。そのため、業務量が増え、一部の判決文登録が遅れた。無罪判決文はささいな問題も生じないように細かく検討する必要があった」と弁明した。
法曹界のあるベテラン弁護士は「判事の判決文提出遅延と検事の表面的な事実だけによる控訴で、一審で無罪が確定する可能性があった被告が再び裁判を受けることになったとすれば、申し開きができない職務怠慢だ」と指摘した。
柳井(リュ・ジョン)記者
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