韓半島に「スーパー黄砂」が到来したワケ(下)

中国とモンゴルの三つの砂漠で同時に春の嵐、翌日には韓国へ

 韓国に最も強い影響を及ぼすのは、中国の内モンゴルやゴビ砂漠などから飛んでくる黄砂だ。中国西部のタクラマカン砂漠や黄土高原、東北地方など中国大陸各地から飛んでくることもある。しかし韓国に影響を及ぼす割合を見ると、内モンゴルやゴビ砂漠からの影響が60%以上とされている。

 ところが今回の黄砂は、複数の地域から同時に飛んできており、それもわずか1日で韓国に到来した。これは非常に異例のことだ。気象庁は「モンゴルの砂漠地帯や中国国内の内モンゴルの砂漠地帯、さらに黄土高原の三つの地域では、19日夕方から一定の間隔で濃度8000-9000マイクログラムの黄砂が発生し、韓国にも同時に影響を及ぼしている」と説明した。1カ所ではなく三つの地域でほぼ同時に強い黄砂が発生し、北西の風に乗って数千キロ離れた韓国にまでやって来たが、その勢いはほとんど弱まることがなかったということだ。

 今回のようなスーパー黄砂が韓国を襲うには、(1)乾燥した砂(2)強い偏西風(3)強い日照—という三つの条件が同時に備わらなければならない。気象庁の関係者は「最初は発生地で土や砂が風に乗って舞い上がり、さらに強い日照で地表が熱くなると、上昇気流と下降気流が同時に起こる対流現象が起こって砂は少しずつ空中に舞い上がる。その際、およそ1キロ上空に吹く強い偏西風に乗ると、黄砂は韓国だけでなく太平洋を越えて飛んでいく」と説明した。

 黄砂発生のメカニズムはよく知られているが、発生日時の予測は徐々に難しくなっている。気象庁は1カ月前に発表した「黄砂予報」で、「黄砂の発生地の冬の気温は例年よりも1度から5度低く、雪に覆われた地域も平年に比べてやや広い。そのため3月に強い黄砂が韓国にまでやって来る可能性は低いだろう」と予想していたが、結果的にこれらは完全に外れてしまった。

 気象庁の関係者は「発生地に積もった雪が予想以上に早く解けた上に、1-2センチほど積もった雪の下の砂さえ空中に舞い上げるほどの強い上昇気流が発生した。韓国に到達する1-2日前に正確な予報を出すことに力を入れるしかない」と述べた。

大田のあるマンションの駐車場に止めてある車。どれも砂まみれだ。21日撮影。/写真=シン・ヒョンジョン記者

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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