後継者問題:ジョンウン氏、4月9日公の場に登場か(下)

北朝鮮最高人民会議に注目集まる

 一方、デノミの失敗により混乱した状況の中では、後継者体制を急ぐよりも、後継体制の構築に向けた基盤整備に集中する可能性の方が大きいという見方もある。慶南大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は、「現在の状況で北朝鮮が後継者問題を大きく取り上げれば、“やはり金総書記の健康状態に問題があるようだ”という憶測が広まり混乱が拡大するだろう。そのため金総書記は、ジョンウン氏を国防委員には任命しないはずだ」と予想する。さらに「金総書記はジョンウン氏が党内での実務からしっかりとこなせるようになることを望んでいる。後継者体制の構築に向けた作業は、党の内部で内密に進められるに違いない」という見通しも示した。

公式のテーマは経済

 複数の韓国政府関係者の間では、今回の最高人民会議で取り上げられる公式の議題について「経済問題に集中するだろう」という見方が多い。韓国の国会に相当する最高人民会議の主な役割は、予算を審議・議決し、新年共同社説に基づいて経済面における今年の主要課題を提示することにある。そのため今回の最高人民会議では、そこで提示される数々の経済政策やそれに関連する人事にも注目が集まる。まずは、昨年末に失敗に終ったデノミの後始末に向けた具体的な措置が提示される公算が高い。民衆の反発を和らげるために、経済官僚に対する人事が行われる可能性もある。

 北朝鮮では今年初めから、外資の誘致に向けた作業が本格的に進められている。そのため、これを後押しする法律や制度も必要になるだろう。韓国政府の安保関連の当局者は、「全般的には以前よりも開放的な内容になるだろう」と予想している。

 一方で梁茂進教授は、「最高人民会議に対するもう一つ関心は、朴南基(パク・ナムギ)労働党計画財政部長が姿を現すかどうかだ」と述べた。朴部長については、デノミ失敗の責任を負わされ最近平壌で銃殺されたといううわさがあるが、その事実は公式に確認されていない。朴部長は経済政策の総責任者であるため、今回の会議にはかせない人物とされる。ところがもし朴部長が会議に姿を現さず、代議員のリストにも名前がなければ、粛正されたことはほぼ間違いないと思われる。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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