湖北省長が記者の録音機強奪、ネットで批判沸騰

 今月7日、中国北京にある人民大会堂の外である女性記者が全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に出席した李鴻忠湖北省長に挑発的な質問を飛ばした。湖北省のホテル女性従業員、トウ玉嬌さん(21)が昨年、自分に性的暴行を加えた共産党幹部を殺害し、正当防衛が認められ、国民的英雄となった事件に関する内容だった。

 李省長は質問に答える代わりに「どのマスコミの所属か」と問い返し、女性記者が「人民日報だ」と答えると、李省長は「どうして(共産党機関紙である)人民日報の記者がそんなことを聞くのか。どうして世論を誘導するのか」などと腹を立て、女性記者の録音機を奪い取って姿を消した。女性記者は人民日報の系列紙『京華時報』の劉傑記者だと判明した。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙によると、当時の状況は経済専門紙『財経』のウェブサイトに報道されたが当局の指示で1日後に削除されたという。

 しかし、これにはマスコミ界、弁護士、学者、市民運動家が反発し、「当局は李省長の行為を徹底的に調査し、記者に対する謝罪、省長の辞任を要求する」との公開書簡をインターネット上に発表する騒ぎとなった。

 これについて、香港の中国メディア専門家、デービッド・バンドルスキー氏は「インターネット、携帯電話、個人ブログなどが急速に発達し、共産党宣伝部門が過去のように(報道内容を)取り締まるのは容易ではない」と指摘した。

香港=李恒洙(イ・ハンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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