IPLデバイスの自動切換え方法
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- 【要約】
【目的】自動IPL機能を有する計算機システムにおけるIPLデバイスの自動切換え方法に関し,人手による介入なしに,日または曜日によって運用システムの自動切り換えを可能とすることを目的とする。
【構成】対応表登録処理19により,複数のIPLデバイス機番と,その各IPLデバイス機番からIPLされる運用システムS1,S2 の運用日情報との対応情報を,対応表20-1,20-2 にあらかじめ登録し記憶する。そして,自動IPLにより運用システムがIPLされた際に,対応情報を読み込み,現運用システムのIPLデバイス機番が,現在の運用日または曜日に合致しているか否かをチェックする。IPLデバイスが正しくない場合には,SVP12に設定したIPLデバイス機番を変更し,再IPLを指示する。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 サービスプロセッサ(12)を備え,サービスプロセッサ(12)にあらかじめ設定したIPLデバイス機番に従って自動IPLを行う機能を有する計算機システムにおけるIPLデバイスの自動切換え方法において,複数のIPLデバイス機番と,その各IPLデバイス機番からIPLされる運用システム(S1,S2) の運用日情報との対応情報を,あらかじめ登録し記憶する過程(19)と,自動IPLにより運用システムがIPLされた際に,前記対応情報を読み込み,現運用システムのIPLデバイス機番が,現在の運用日または曜日に合致しているか否かをチェックする過程(15,16,17)と,IPLデバイスが正しくない場合に,サービスプロセッサ(12)に設定したIPLデバイス機番を変更し,再IPLを指示する過程(18)とを備え,日または曜日により,運用システムを自動的に切り換えることを特徴とするIPLデバイスの自動切換え方法。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,運用システムを複数用意し,任意に決めた1つのシステムを常にIPLし,IPLされたシステムが日または曜日によって適当な運用システムを選択し,自動的に運用システムを切り換えることができるようにしたIPLデバイスの自動切換え方法に関する。
【0002】例えば,休日だけ,通常の場合と違う運用システムを計算機上にローディングし,その休日用の運用システムによって処理したいという要求がある。このような運用システムの切り換えを自動的に行う技術が必要とされる。
【0003】
【従来の技術】従来,無人/自動運転を可能とする方法として,サービスプロセッサ(SVP)に電源を投入する日時や曜日などのスケジュール情報を登録しておき,その日時や曜日になると,自動電源制御装置によって自動的に計算機システムに電源を投入する方法が用いられている。また,そのときにIPLを行う対象となるデバイス機番をあらかじめ登録できるようになっている。
【0004】しかし,日や曜日によってIPLデバイス機番を変えることはできず,電源投入によって立ち上がるシステムのIPLデバイス機番は,登録内容によって固定的に決まるようになっていた。
【0005】したがって,例えば銀行のサンデーバンキングなど,日または曜日によって運用の仕方を変える方法として,システムのIPLデバイスを複数用意し,運用を変更する日に,人手により切り換える方法が,従来用いられている。この方法の問題点は,人手が介入することである。
【0006】無人/自動運転を常とするシステムにおいては,サービスプロセッサ(SVP)に設定するIPLデバイス機番を変更することは,無人/自動運転を一時中断する必要があり,またオペレーションミスが生じる可能性がある。このため,完全無人/自動化が損なわれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点の解決を図り,プログラムが自動的に運用システムを認識し,日または曜日によってIPLデバイス機番を変えることにより,人手による介入なしに,運用システムの切り換えを可能とすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明図である。図1において,10は運用システムを動作させる中央処理装置(CPU),11は主記憶装置,12はシステムの制御機能や運用状態の監視機能などを持つサービスプロセッサ(SVP),13は登録されたIPLデバイス機番を記憶するIPLデバイス機番記憶部,14−1,14−2はIPLデバイス,15は対応表読み込み処理,16はIPLデバイス機番認識処理,17は運用日/曜日チェック処理,18はIPLデバイス機番変更/再IPL処理,19は対応表登録処理,20−1,20−2はIPLデバイス機番と運用日情報との対応情報を記憶する対応表を表す。
【0009】複数の運用システムS1,S2は,それぞれIPLデバイス14−1,14−2に格納されている。本発明では,あらかじめ対応表登録処理19により,各IPLデバイス14−1,14−2の機番と,その各IPLデバイス機番からIPLされる運用システムS1,S2の運用日情報との対応情報を,対応表20−1,20−2にあらかじめ登録し記憶させておく。なお,対応表をSVP12の記憶装置に記憶させるようにしてもよい。
【0010】SVP12が,自動IPLにより,IPLデバイス機番記憶部13に記憶しているデバイスから,運用システムS1またはS2を主記憶装置11にロードすると,そのロードしたプログラムにより以下の処理を行う。
【0011】対応表読み込み処理15により,対応表20−1または対応表20−2を読み込む。なお,対応表20−1,20−2は同内容である。最初のIPLデバイス機番が固定である場合には,対応表は1つだけでもよい。
【0012】次に,IPLデバイス機番認識処理16により,今回使用したIPLデバイス機番を認識する。そして,運用日/曜日チェック処理17によって,対応表20−1,20−2の内容を参照することにより,現運用システムのIPLデバイス機番が,現在の運用日または曜日に合致しているか否かをチェックする。
【0013】正しければ,そのまま運用を続行する。正しくなければ,IPLデバイス機番変更/再IPL処理18によって,SVP12に設定したIPLデバイス機番を変更し,SVP12に再IPLを指示する。
【0014】こうして,日または曜日により,運用システムS1,S2を自動的に切り換える。なお,日時は,SVP12にあるPTOD(パーマネントTOD)時計または外付けの監視装置から得て,それをCPU10のTOD時計に設定したものを利用することができる。
【0015】
【作用】システムが自動IPLされたとき,初期設定段階に,IPLデバイス機番と日/曜日の対応表20−1または20−2を読み込む。また,システムが自動IPLされた日/曜日を,中央処理装置10のタイマ機構から得るとともに,IPL時にSVP12から与えられるIPLデバイス機番を認識する。これを対応表の内容によりチェックし,日/曜日とIPLデバイス機番の関係が正しければ,初期設定を完了する。
【0016】正しくなければ,対応表20−1,20−2からその日/曜日に合致したIPLデバイス機番を取り出し,IPL可能装置であることを確認した後,SVP12に設定してあるIPLデバイス機番を変更する。そして,既存のDIAGNOSE命令によって,再IPLを指示する。
【0017】以上により,IPLデバイスを自動認識し,動的に運用システムを変更することができる。したがって,無人/自動運転でも,例えば平日には運用システムS1により運用し,休日には運用システムS2により運用するというようなことが可能である。
【0018】
【実施例】図2は本発明の実施例に関連する自動運転説明図である。本発明の実施例を適用するシステムにおける自動運転は,次のように行われる。まず,自動運転の環境設定では,図2の(イ)に示すように,管理者が予定表を作成し,制御プログラムにより,作成した予定表のカレンダ情報23を主記憶装置11に読み込ませる。制御プログラムは,カレンダ情報23の書き込みを指示するDIAGNOSE命令により,SVP12にカレンダ情報23を通知する。
【0019】SVP12は,自動電源制御装置(ARC:Automatic & Remote Power Controller)21に翌日のスケジュールを渡す。自動電源制御装置21は,そのスケジュールを記憶する。
【0020】運用が終了すると,制御プログラムは,POWER OFFのDIAGNOSE命令を実行し,電源を切断する。以上の自動運転の環境設定により,図2の(ロ)に示すように,自動電源投入が行われる。すなわち,自動電源制御装置21は,予定表の日時になるとSVP12,中央処理装置10,主記憶装置11,入出力装置群24の電源を次々に投入する。
【0021】SVP12にあらかじめ自動IPLをモードを設定しておくと,電源投入の完了後,図2の(ハ)に示すように,自動IPLが行われる。すなわち,SVP12は,あらかじめ設定されているIPLデバイス機番の入出力装置に対してIPL動作を指示する。これにより,IPLデバイス14からプログラムが主記憶装置11にロードされ,ロードが完了すると,中央処理装置10がプログラムを実行する。
【0022】本実施例では,例えば次のようなDIAGNOSE命令を使用する。なお,以下に説明する命令は周知であるので,ここでは簡単な説明にとどめる。
(a) READ CALENDER命令SVP12に保持されている電源オン/オフ・スケジュール情報を,主記憶装置11の指定した領域に読み出すことを指示する命令である。電源オン/オフ・スケジュール情報には,自動電源が有効であるか無効であるかを示す自動電源制御フラグ,スケジュールの年月を指定する年月スケジュール情報,電源投入時刻や電源切断時刻,使用曜日などを指定する標準週間スケジュール情報,1日から31日までの電源投入時刻や電源切断時刻を指定する月間スケジュール情報などが含まれる。
【0023】(b) WRITE CALENDER命令SVP12に保持されている電源オン/オフ・スケジュール情報を,主記憶装置11の指定した領域の内容により更新することを指示する命令である。
【0024】(c) SPECIFY IPL DEVICE LIST命令自動IPLデバイス機番の登録または参照に用いる命令である。この命令により,SVP12に対し自動IPLの対象となるデバイスを指示することができる。
【0025】(d) READ IPL MODE命令最後に実行されたIPLのモードが,自動IPLモードであるか手動IPLモードであるかなどを知らせる命令である。
【0026】(e) START IPL命令IPLデバイス機番を認識し,IPLを起動する命令である。
【0027】図3は本発明の一実施例処理フローを示す。以下の説明における■〜■は,図3に示す処理■〜■に対応する。
■ あらかじめSVP12に登録されているIPLデバイスXの機番よりIPLが実行され,システムが主記憶装置11に読み込まれる。なお,IPLデバイス機番の登録は,SPECIFY IPL DEVICE LIST命令によって行われる。
【0028】■ IPLの後,システムの初期化処理が行われ,I/O装置の確認,システムの日時設定,その他の処理が行われる。
■ READ IPL MODE命令によって,IPLモードを読み,手動IPLモードであるか自動IPLモードであるかを判定する。手動IPLモードのとき,引き続き従来と同様な通常の処理へ移行する。
【0029】■ 自動IPLモードのとき,IPLデバイス機番と運用日情報との対応情報を記憶する対応表20−1または20−2を,IPLデバイスXから主記憶装置11に読み込む。
【0030】■ システムの時刻と曜日をタイマ機構から読み取り,また今回のIPLデバイス機番を取り出す。
■ IPLデバイスが,本日の運用システムのものかどうかを,対応表20−1または20−2を参照してチェックする。IPLデバイスが本日の正しい運用システムである場合,通常の処理へ移行する。IPLデバイスが正しくない場合,処理■へ移る。
【0031】■ SPECIFY IPL DEVICE LIST命令により,SVP12にIPLデバイス機番の変更を通知する。そして,START IPL命令により,IPLを指示する。これにより,再度,SVP12によってIPLが実行され,システムがIPLされる。その後,同様に■以下の処理が実行され,初期設定が終了する。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,日または曜日によって運用システムを変えなければならないときでも,自動的に変えることができる。したがって,無人/自動運転が中断することはなく,人手介入による誤操作が防止される。また,システムの運用変更における工数の削減,対応人員の削減が可能になる。
- 【公開番号】特開平5−27984
【公開日】平成5年(1993)2月5日
【発明の名称】IPLデバイスの自動切換え方法
【発明者】
【氏名】坪内 操
- 【出願番号】特願平3−178561
【出願日】平成3年(1991)7月19日
【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 吉義 (外2名)
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