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不搬送の女性、翌日死亡 救急隊「緊急性なし」 鹿沼市(3月18日 05:00)鹿沼市内で今年1月、薬と酒を服用し「包丁で自分の腕を切った」と119番した女性(25)が、出動した同市消防署救急隊に搬送されずに翌日、死亡していたことが17日までに、分かった。死因は薬物中毒の疑い。救急隊は「緊急性はないと判断した」としている。女性には精神疾患があったが、救急隊は県精神科救急医療システムで定められ、患者の症状に応じて医療機関に振り分ける県立岡本台病院(宇都宮市)への連絡を行っていなかった。女性の知人は「医療機関で診てもらえば、異常を発見できた可能性もあったのでは」と話している。 同消防署によると、女性は同月6日午後11時ごろ、携帯電話で通報。救急隊が到着すると、女性は自分で玄関のドアを開け、腕のけがも軽傷だった。抗うつ剤などの薬や酒の容器が散乱していたため、救急隊が服用量を尋ねたが、答えなかった。 脈拍や血圧などに異常はなく、女性の知人も駆け付けたことから、救急隊は「何かあれば連絡を」と話し、布団で横になっていた女性を搬送せずに帰ったという。 しかし、翌7日午前5時半ごろ、知人が女性の異変に気付き、再び119番、搬送先の病院で死亡が確認された。 女性は薬を大量に飲むなどして過去に何度も搬送されており、救急の現場では通報の「常習者」と認識されていた。 救急隊は最初の出動の際、女性のかかりつけの精神科医院に電話したがつながらず、女性が「最近かかった」と話した同市内の2次救急の上都賀総合病院精神科に連絡した。 同病院によると、女性にはかかりつけの定義である半年以内の受診がなかった。このため、かかりつけ医がない場合などに精神科救急の診察依頼を一元的に受ける岡本台病院に連絡するよう、救急隊に指示したという。 一方、救急隊は上都賀総合病院から搬送の指示がなかったことなどから「緊急性はない」と判断。岡本台病院に連絡しなかったことについては「別の患者だが、アルコールの摂取などを理由に受け入れを断られたことが再三あった。連絡しても無駄と考えた」と説明している。 その他のニュース
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