きょうのコラム「時鐘」 2010年3月23日

 ゴジラ通信に先ごろ、本紙記者のエンゼルス開幕予想オーダーが出ていた。「4番DH松井」に期待が高まる

ほかに主力の2人がヤンキース出身とあった。巨人で活躍した3人がいきなり阪神の縦じまで登場するようなもの。大物の移籍は日本でもあるが、そこまでやるとファンは鼻白み、生え抜き選手はヘソを曲げるに違いない。向こうには向こうの流儀がある

ファンは、陣容を一新したチームの快進撃を期待する。半年前、かじ取りが交代したわが日本丸の船出も、大いに期待が高まった。が、野球と政治は、まるで違う。ベンチが変われば、守りの野球が一転、攻撃に転じる。政治は急には変わらない。半年たってそれが分かった。急ぎ進路を変えようとすれば、厄介な横波が襲ってくるのである

選手の顔触れが変わろうと、地元ファンはチームを応援する。私たちは違う。赤いゴジラの誕生で、ヤンキースびいきから、一夜にしてエンゼルスにくら替えである。ひいきにもいろいろある

ひいきチームのくら替えを機に、日本丸かじ取りの品定めにも、そろそろ取り掛っていいころかもしれない。