大阪風です…「立てこもり」で警官募集

　大阪府警の警察官募集のポスターが今年も完成した。春と秋の選考に向けて年２回、コンペ方式の公募で決めているが、毎回ユニークなものが登場。広告業界にとっては「大阪らしさ」をどんな切り口で表現するか、腕の見せ所となっている。

　３月１日から地下鉄など大阪府内に張り出されたポスターは、立てこもり事件の犯人に刑事がハンドマイクで叫ぶ構図。キャッチコピーは「そこの優秀な若者に告ぐ。そんなところに隠れてないで出てきなさい！」。

　広告、デザイン会社など１２業者の５０作品から選ばれた。選考には若手の警察官の意見も採り入れられ、現職の警察官がモデルを演じている。

　１９８０年代は刑事が塀を飛び越えたり、車に乗り込んだりするドラマ風が多かったが、９０年代には「大阪府警！」「犯人へ、逃げてもムダよ、スゴイ人大量採用」といったコピーが登場。土のうを担ぐ若手警察官に「アツくて悪いか！？」と熱血バージョンも出た。

　今回は約７０００枚印刷。全国の大学にも張り出された。広告会社の担当者は「求められるのは『大阪らしさ』。同じ内容を持っていっても他府県警では絶対採用されない」と笑う。別の担当者は「警察官をテーマにいかにユーモアを込めるか。やりがいがあります」。

　府警の担当者は「ポスターを見てガイダンスに来る学生も少なくない」と期待する。府警本部のホームページの採用案内で、過去のポスターが閲覧できる。（共同）

　［2010年3月22日18時38分］