ゲーム終了後引きあげる(左から)野本、岩崎達、松井雅、前田、一人おいて大島、松井佑(右下)=ナゴヤドームで
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中日は21日、オープン戦全日程を終了した。キャンプから続くサバイバルを見てきた落合博満監督(56)は若手たちによる底上げ実感しているようだ。新人3選手が最後まで1軍に残るなど戦力は確実にアップ。26日の開幕まであと4日。荒木のケガなど不安は残るものの、新たな力がきっとチームの原動力になる。
これにて春の実力テスト終了−。キャンプインから約2カ月。開幕1軍の合格者は誰なのか。
決定権を握る落合監督は今週、こう話した。「22日は休みだから、1日かけてたっぷり考えるよ」
開幕1軍メンバー提出日は23日。この日までの結果を踏まえ、22日の練習休日にとことん考え抜く。最終結論はまだ出ない。一方で今、確実に言える答がある。
「ここまでキャンプ、オープン戦とやってきて、ある程度の最低ラインというものは見せてくれている。こうやって使っていけば使えるんじゃないか…、というところはな」
落合監督はこう語る。総括はやらない。個人名も出さない。だけど言えること。それは若手たちによる底上げだ。
主力が「使える」ことは分かっている。この春、新たに使える戦術ピースとして多くの選手たちが指揮官の手に入ってきた。確かな手応えだ。
「見せてくれないヤツらもいるけどな。ケガ人だ。ケガしてるヤツらは見せてくれないもん。だから分からない」
故障離脱した選手は分からないが、プレーできるほとんどの選手の力はその目で検証してきた。昨年までにない収穫があった。目立ったのは大島、松井佑、松井雅の新人3人だ。キャンプからこの日まで1軍でサバイバルを完走した。
「力は出せたと思います。ここからが本当の勝負だと思います」(大島)。「自分のやるべきことはやれたと思う。悔いはありません」(松井佑)。「課題はまだあります。シーズンに入っても練習でしっかりやっていきたい」(松井雅)
新戦力が出現し、チームを底から押し上げた。他の若手、中堅も加わり、さらなる力になった。開幕1軍で浮かれることも、2軍で悲観するヒマもない。
「よく『開幕1軍』と言うけど、開幕の翌日に2軍に落ちたら意味がない。『開幕』と言ったって144試合のうちの1試合。残り143試合もあるんだから。1日だけで2軍に落ちるヤツがいるかもしれないし、開幕1軍に入れなくても、その後に挽回(ばんかい)して1軍に入ってくるヤツもいるだろう」
これが落合監督の考えだ。開幕1軍はひとつの名簿にすぎない。本番の競争はこれから。土俵に上がる資格者は確実に増えた。 (生駒泰大)
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