福岡放送局

2010年3月22日 19時6分更新

「被爆ピアノ」で平和訴える

65年前に広島で原爆の被害を受け、その後、修復されたピアノの演奏などを通して、核兵器の廃絶や平和の大切さを訴える催しが、22日福岡市で開かれました。

福岡市早良区の西南学院大学で開かれた催しでは、まず、広島への原爆の投下で両親を亡くし、自らも被爆した広島市の安部民子さん(78)が「まちは焦土と化し、いたるところに黒こげの死体がありました」と当時の悲惨な様子を説明しました。
続いて、爆心地からおよそ2.6キロの民家で被爆し、爆風で割れたガラスによって傷つけられたり、壁にたたきつけられたりしたピアノを、去年8月の広島の原爆の日にあわせて修復した広島市の調律師、矢川光則さんが「このピアノを通して核兵器の恐ろしさや平和の尊さなどを知って欲しい」とあいさつしました。
そして、2人のピアニストが、原爆の傷が残るピアノで日本のヒット曲などを演奏すると、会場には被爆したことを感じさせない鮮やかな音色が響いていました。
親子で参加した女性は「被爆したピアノからこれだけの音が出るのに驚かされるのと同時に、平和の大切さをあらためて感じました」などと話していました。