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日大三・山崎、脳腫瘍手術日に記念星

 最後の打者を打ち取りガッツポーズの日大三・山崎(左)と鈴木のバッテリー(撮影・浜畑利郎)
 最後の打者を打ち取りガッツポーズの日大三・山崎(左)と鈴木のバッテリー(撮影・浜畑利郎)

 「センバツ1回戦、日大三14‐4山形中央」(21日)

 第3試合は日大三(東京)が、2発を含む19安打14得点で山形中央(山形)に圧勝。投打の大黒柱・山崎福也(さちや)投手(3年)が、4失点を喫したものの10奪三振で完投。打っても3安打と存在感を示した。ちょうど2年前のこの日に「脳腫瘍」の手術を受けたというエース。思い出深い“再起の日”に、大きな勝利を手に入れた。

  ◇  ◇

 大病を乗り越えた先には、名前のとおり“福”が待っていた。日大三のエース山崎福也(さちや)は6安打10奪三振、4失点で完投勝利。運命の日を白星で飾った。

 ちょうど2年前の3月21日。山崎は、手術台にいた。高校入学にあたっての精密検査で、脳腫瘍が判明。名医がいると聞きつけた北海道の病院で、直ちに手術を受けた。

 運命を感じずにはいられなかった。今大会の初戦が3月21日。「手術した日と、同じ日に試合ができることに感謝したい。神様がそうしてくれたのだと思う」。山崎はこん身の力を込めて144球を投じた。

 メモリアルの勝利に「本当に幸せだと思う。うれしい。記念日になりました」とほおを緩ませた。アルプススタンドで声援を送った母・路子さん(45)は「当時のことを考えたら、普通の生活ができるか心配で…ましてや野球なんて。奇跡だと思う。信じられない」と息子の晴れ姿に声を震わせた。

 山崎は現在も3カ月に1度のペースで定期検査に通っている。「今は気分が悪くなることもないし、体調はいいです。もっと野球がうまくなりたい」と瞳を輝かせた。

 打っても3安打と活躍。投打の柱としてチームに欠かせない存在だ。「きょうは雰囲気にのまれて、立ち上がりの制球が甘かった。雰囲気にも慣れたし、次は序盤からしっかり抑えたい」。抱負を語る姿はどこか誇らしげだった。

(2010年3月21日)
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