「普天間」2案 最終調整 シュワブ陸上 勝連半島沖合

首相・閣僚ら23日協議

2010年3月20日 09時44分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 米軍普天間飛行場の移設問題で、鳩山由紀夫首相と平野博文官房長官、岡田克也外相、北沢俊美防衛相らが23日に協議し、移設候補地の取りまとめを目指すことが分かった。名護市のキャンプ・シュワブ陸上案と勝連沖の浮原島と宮城島間を埋め立てる案を軸に最終調整する。これを受け米側に提示する方針で、複数案になる可能性もある。政府関係者が19日、明らかにした。

 首相は3月中に政府案を固めた上で、5月中に米側と移設先自治体の了解を取り付け決着させる意向を示してきた。だが県は県内移設に反対の姿勢を崩していない。米側はシュワブ沿岸部を埋め立てる現行計画かその修正を求めており、政府内では移設案を取りまとめても宙に浮くとの見方が出ている。

 移設先確定までの長期化を懸念し、政府内では米海兵隊訓練を航空自衛隊の新田原基地(宮崎県新富町)や築城基地(福岡県築上町)など九州の自衛隊基地に先行して移転させる二段構えの対応も取りざたされている。

 政府内では、北沢氏がシュワブ沿岸部の陸上に約500メートルのヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)を建設する案や内陸部に1500メートル超の滑走路を造る案を支持。平野氏は、沖縄本島東岸の勝連半島沖合を埋め立てる案を中心に検討しているとされる。

 このうちヘリパッド案は問題解決につながらない。米側は早ければ2012年に通常の離着陸に1600メートル級の滑走路が必要な垂直離着陸輸送機MV22オスプレーを配備する構えで、普天間飛行場がオスプレーの基地として継続使用される公算が大きいからだ。

 首相周辺では沖縄県の県内移設反対の強い声を踏まえ、鹿児島県の徳之島を移設先として模索する動きがあり、これも検討の対象になりそうだ。ただ徳之島に滑走路を建設した場合、沖縄県の米軍訓練場との距離が離れており、米軍の運用上の問題が指摘されている。徳之島は普天間飛行場の危険性と騒音を低減する観点から鹿児島県の馬毛島とともに、一部訓練の移転先としても検討されている。

「県外難しいが頑張る」
普天間移設で鳩山首相

 【東京】鳩山由紀夫首相は19日、米軍普天間飛行場移設問題について「県外は難しいが、県外が望ましいという県民の気持ちを大事にしたい。難しいけれども、頑張っている」と述べた。

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