韓国ソフトウエア産業の限界(上)

好業績の「ハングルとコンピュータ社」、営業以外の要因で危機に

市場規模の小ささが大きな原因

ポータルサイトによる独占、違法コピーも

関連企業の成長に障害

 韓国を代表するソフトウエアメーカー「ハングルとコンピュータ社(ハンコン)」のある役員が今年1月、ソウル東部地方検察庁に告発状を提出した。

 「セットトップボックス専門のセルラン社がハンコン社を買収して、資金を横領してセルランとその子会社の経営資金として活用している。この問題について、ハンコンのキム・ヨンイク社長を捜査してほしい」というものだった。告発を受けた検察は、ハンコンとセルランに対して家宅捜索を行った。また今月10日には、ハンコンのキム社長と兄のキム・ヨンミン・セルラン社長、ハンコンの財財務担当者、セルランの経営企画室長らを在宅のまま起訴した。

■「ハングルとコンピュータ」の買収は現金確保のため?

 検察は、起訴した4人の背任・横領額が385億ウォン(約31億円)に達すると発表した。昨年、過去最高となる151億ウォン(約12億円)の営業利益を記録したハンコンとしては、会社の屋台骨を揺るがしかねないほどの額だ。検察は、「セルランはハンコン名義で融資を受け、同社の子会社の株を購入させた上で、その資金でハンコンから借りた資金を返済するなど、さまざまな手口で背任・横領を繰り返していた」と説明する。これについてキム・ヨンイク社長は、「会社に損害を負わせたことはなく、個人的に着服したこともない。法廷で無罪を勝ち取れると確信している」とコメントした。

 今回の問題の原因は、ハンコンを買収した企業がハンコンを、容易に資金を調達できる財布のように考えていたことにある。ハンコンでは2008年にも、前の社長が背任・横領容疑で逮捕されている。さまざまな理由から、ハンコンは1990年の創業以来、8回もオーナーが入れ代わっている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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