「米国の韓国系住民、人口・住宅センサスに参加を」

米国人口調査局ニューヨーク・ニュージャージー支部のキム・デヨン広報課長

「政府の調査」に協力せず、韓国系住民が実際より少ない結果に

人口調査に参加してこそ、多くのメリットを享受できる

 「オバマ政権は、韓国人をはじめとするマイノリティーに対し、多額の財政支援を行う考えを持っている。われわれがより多くの支援を受けるためには、今年行われる人口・住宅センサスに、多くの韓国系住民が参加し、現地の声を高めていかなければならない」

米国人口調査局ニューヨーク・ニュージャージー支部のキム・デヨン広報課長は、朝鮮日報社を訪問した理由について、「米国に住む韓国人たちが、現地で朝鮮日報や電子版を読んでいるため、人口・住宅センサスへの参加を呼び掛ける上では最も効果的な方法だと考えた」と話した。/写真=朱完中(チュ・ワンジュン)記者
 米国人口調査局ニューヨーク・ニュージャージー支部のキム・デヨン広報課長(米国名:ライアン・キム)=34=は、「今回の人口・住宅センサスは、米国に住む韓国系住民たちの勢力を伸ばす重要な機会だ。この機会を逃せば、次の調査までに10年も待たなければならない」と語った。ニューヨーク・ニュージャージー両州には現在、約40万人もの韓国系住民が住んでおり、米国ではロサンゼルスに次いで韓国系住民が多い。

 キム課長は、「韓国の外交通商部は、米国に住む韓国人を210万人と集計しているが、米国政府の2008年の推計によれば、133万人にすぎない。本来はこれより80万人多く、それだけの力を持っているにもかかわらず、その力を自ら放棄してしまっている」と述べた。

 米国の人口・住宅センサスは、在留資格を問わないことが法律で保障されている。このため、市民権を持つ人だけでなく、永住権を持つ人、留学生、企業の駐在員、さらには不法滞在者までも参加することができる。だが、留学生や駐在員などは、「政府の調査」に協力しない傾向があるため、米国に住む韓国人の数が統計上では少なく集計されるというわけだ。

 キム課長は、「連邦政府は毎年、マイノリティーのために、4000億ドル(約36兆円)以上の予算を各州政府に配分しているが、人口が最も重要な基準となっているため、人口・住宅センサスへの参加率を高めることがカギとなる」と話した。韓国人が多く住んでいるということをアピールすれば、電車の案内表示に韓国語が併記され、官公庁には通訳が配置され、また政府の支援を受ける非営利団体(NPO)による、韓国人を対象としたサービスも拡大される、というわけだ。また、「連邦議会下院による選挙区の見直し、連邦予算の分配などにも決定的な影響を与えるため、米国の政治家たちは、人口・住宅センサスをかなり重視している。そのため、在米韓国人たちがこれを活用しないというのは、非常にもったいない話だ」と指摘した。

 人口・住宅センサスは、質問紙による調査と訪問調査という二通りの方法で行われる。まずは、質問紙を各家庭に送付し、4月までに回収する。質問紙を提出しなかった世帯に対しては、5月から訪問調査を実施する。

 キム課長は、2008年の大統領選当時、オバマ大統領の当選を目指し、「オバマ議員のための東部地区アジア人連帯」を結成、会長を務めた。高校3年生のときに米国へ渡り、ニューヨーク大の大学院で政治学を学んだ。05年から08年の大統領選に参加するまでは、ニューヨーク・マンハッタンの銀行に勤務していた。

 キム課長は、「最近ニューヨーク市で、市長・公益擁護官とともに“ビッグ・スリー”と呼ばれる監査院長に、台湾系の人物が当選した。韓国系住民も政治的な影響力を高め、アジア人のリーダーとして飛躍すべきだ」と強調した。

李陳錫(イ・ジンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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