受注相次ぎエンジニア不足の韓国建設業界(下)
■海外での建設受注が増え、建設各社の人材獲得競争が激化
韓国政府は2012年までに、海外での建設受注額を700億ドル(約6兆3500億円)にまで引き上げようとしている。そのため、今後も海外の建設現場で働く人材の需要は増える見込みだ。現在、最も人手不足に悩んでいるのはサムスンエンジニアリングで、同社は昨年海外から92億ドル(約8300億円)の工事を受注したが、これは2008年の12億ドル(約1100万円)に比べ7.6倍も多い。同社の関係者は、「昨年は非常に多くの海外プラントを受注したため、今年も900人以上のエンジニアが追加で必要だ。しかし、採用はなかなか簡単にはいかない」と嘆く。
SK建設も今月6日、エクアドルで2億6000万ドル(約240億円)規模の石油精製工場建設プロジェクトの基本設計事業を単独受注した。1日の生産量が30万バレルに達するこの工場建設プロジェクトは、総額で125億ドル(約1兆1300億円)規模の超大型事業だ。チェ・グァンチョル社長は、「わが社にはエンジニアが1000人ほどしかいないが、エクアドルでの事業だけで800人は必要だ」と語る。GS建設も、2007年末には3010人ほどだったプラント関連のエンジニアを、昨年は3928人に増やし、今年はさらに4500人へと増員する計画だ。
■今年も受注が相次げば人手不足がさらに深刻に
海外での施工経験が豊富な建設各社は、自社で教育を行って人材を確保している。現代建設は今年の海外での受注目標を、昨年よりも2倍以上多い120億ドル(約1兆1000億円)に定めた。また昨年末には、UAE(アラブ首長国連邦)で原子力発電所の建設工事も受注したことから、エンジニアの採用をさらに活発に進めている。
現代建設で人事を担当するチョン・ヒチャン常務は、「今年上半期だけで100人を追加で採用し、仕事が減っている国内の住宅や土木現場の社員も海外の建設現場に振り分けたい。そのため、社内外での教育にもより力を入れて取り組んでいる」と述べた。
こうした中、政府次元でも、海外建設の人材育成対策に力を入れてほしいという声が相次いでいる。海外建設協会の中東チームでリーダーを務めるキム・ジョングク氏は、「海外建設分野の人材を十分に供給できるよう、就職難にあえぐ大学に対し、情報提供や支援を強化する必要がある」と訴えた。
李錫雨(イ・ソクウ)記者
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