受注相次ぎエンジニア不足の韓国建設業界(上)
史上最大規模の受注が相次ぎ、一気にエンジニア不足
海外でも募集に乗り出し、国内ではヘッドハンティング競争
米国テキサス州ヒューストンにはシェル、ベクテル、ジェイコブス、KBRなどの世界的な大手石油会社や化学メーカーの本社が密集している。同地域では先月28日、日刊紙ヒューストン・クロニクルに、紙面の3分の1を占める大型広告が掲載された。
この広告には、「わたしたちはあなたを探すために遠い国からやって来た。採用分野はプロジェクト・エンジニア、マネージャー、管理者、作業管理者、会計専門家など」と記載されており、石油化学のプラント建設を行うため、これらの分野で人材を採用するというものだ。広告主は韓国のSK建設。この募集に対し、欧米出身のエンジニア400人以上の応募が殺到した。SK建設はヒューストンで、エンジニアなど海外建設のための専門家を200人ほど採用する計画だ。
■米国はエンジニア求職難、韓国では求人難
韓国の建設会社が米国に出向いてまで募集広告を出したのはなぜだろうか。2008年以降、韓国の建設各社が中東各国で大型プラント建設を相次いで受注する一方、欧米や日本など世界的な建設各社は仕事を失った。その結果、ヒューストンに拠点を置く世界的な企業に勤務していたエンジニアたちが失業者となってしまった。
ところが韓国では正反対だ。SK建設でプラントを担当するチェ・グァンチョル社長は、「韓国企業は昨年、中東で相次いで大型プラントを受注したことから、韓国ではエンジニアを採用するのが非常に難しい。今や海外のエンジニアにも韓国企業の名が広く知られているため、今後は海外の人材を積極的に活用していきたい」と述べた。
昨年、韓国の建設各社が海外で受注した額は491億ドル(約4兆5000億円)。2年連続で過去最高を記録した。このうち石油化学、石油精製、発電などのプラント分野だけで、72%に当たる356億ドル(約3兆2000億円)を占めている。問題は、これらの工事を手掛ける技術者が不足しているということだ。そのため現在、韓国の建設各社の間では、ヘッドハンティングが活発に行われている。
大手建設会社の関係者は、「他社の人材をスカウトしてくれば、1000万ウォン(約80万円)の手当を与えるところもあれば、ある企業では、他社のビルの前に毎晩出向き、学閥や地縁を頼りにスカウト活動を行っている」と述べた。
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