タリバンメンバーはどのように韓国に出入りしていたのか(上)

自分のもののように使う「偽名旅券」が横行

 最近、警察に身柄を拘束された「イスラム原理主義武装勢力タリバンの疑いがある」パキスタン人と同じく、偽名旅券を所持していたとして当局に摘発されたケースが、毎年2000件余りに上ることが判明した(聯合ニュース、2月28日付既報)。

 先月末、警察はタリバンに所属している疑いがあるパキスタン人A容疑者(31)の身柄を拘束した。A容疑者は、5年間に17回も韓国と外国を往来し、イスラム圏の留学生20人余りに対してタリバンを称揚、テロ行為を扇動した疑いが持たれている。A容疑者は、2001年9月に初めて韓国に入国した後、03年6月に不法滞在が発覚し、パキスタンに強制送還された。しかし、その2カ月後の03年8月、再び韓国へ入国した。

 強制送還された外国人が、どのようにしてわずか2カ月で再入国できたのか。A容疑者は旅券の裏を切り抜いて自分の写真に変え、他人の旅券を自分のもののように偽装するという手口を使っていた。印刷された写真を旅券に張る「写真張りつけ式」旅券が通用するフランス・イスラエル・スペインなど一部の国では、こうした手口が依然として横行している。電子旅券が普及し始め、旅券の偽・変造が難しくなると、新たに登場したのが「偽名旅券」だ。パキスタン人のA容疑者が韓国に入ることができたのも、兄B氏(36)の旅券に自分の写真を張った「偽名旅券」だった。

 偽名旅券は、「他人の旅券の行使」と「他人名義の旅券」に大別される。「他人の旅券の行使」は、他人の旅券を自分の旅券のように使うことだ。顔や年齢が似ている兄弟・姉妹の旅券を、本人であるかのように使う手法だ。一方で「他人名義の旅券」は、最初に旅券を作る際、他人の身元情報に自分の写真を付けるというものだ。今回パキスタン人の容疑者が使った旅券が、まさにそれだった。旅券の書類を提出する際、他人の情報に自分の写真を張り、全く新しい人物の旅券を作り出したのだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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