釜山少女暴行殺害:キム容疑者、今度は「精神疾患」!?

弁護人に「解離現象って知っているか」

 釜山市沙上区徳浦洞で、中学校入学を控えたイ・ユリさん(13)が強姦(ごうかん)、殺害された事件で、逮捕されたキム・ギルテ容疑者(33)はこれまで、「酒に酔っていた」として、知らんぷりを決め込んできたが、検察の取り調べを前に、今度は精神疾患を装うようになった。

 検察の関係者が19日に語ったところによると、この日送検されたキム容疑者は、弁護人に対し、突然「解離現象って知っているか」と切り出し、服役中に精神医学に関する本を読み漁ったことを話した。「解離現象」とは、精神的に大きなショックを受けたことや、病気などが原因で、自らの意思とは関係なく行動し、正常な状態に戻った後、そのことを記憶できなくなる現象を指す精神医学用語だ。

 さらにキム容疑者は、「刑務所にいたとき、精神的におかしくなり、何冊も本を読んだ。その中で、自分の病気が一生治らないということが書かれていて、衝撃を受けた。症状がひどいときは幻聴が聞こえ、幻影が見えることがあった」と弁護人に訴えたという。

 キム容疑者は2001年、30代の主婦を拉致・監禁し、性的暴行を加えたとして、懲役8年の判決を受け、安養刑務所(京畿道安養市)で服役していたが、03年から精神疾患の症状を見せ、専門の治療施設がある晋州刑務所(慶尚南道晋州市)で2年4カ月間にわたって治療を受けたことがある。

 この日、キム容疑者の身柄を送られた釜山地検刑事3部(金承植〈キム・スンシク〉部長)は、キム容疑者がユリさんを拉致し、性的暴行を加え、殺害したとされる犯行の経緯について自白を促す一方、証拠を収集することに全力を挙げる方針を打ち出し、本格的な捜査に着手した。また、専門家に依頼し、キム容疑者の精神疾患や、「酒に酔っていた」という主張について、刑を軽くするための芝居である可能性もあると見て、分析する方針だ。

釜山=権慶勲(クォン・ギョンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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