野球:林昌勇、ワケありのスロースタート?

林昌勇「スランプ、全く心配なし」

 ヤクルトの守護神、林昌勇(イム・チャンヨン)は、予想外のスランプの中でも余裕を見せている。

 林昌勇の今季オープン戦の成績は予想外だった。16日のオリックス戦には2-1とリードした場面で登板したが、満塁ホームランを打たれ、敗戦投手になった。オープン戦とはいえ、防御率は13.50にまで達した。

 12日のソフトバンク戦ではセーブを挙げたものの、2-0の場面でマウンドに上がり、3塁打を打たれ1点を許した。日本プロ野球界トップクラスの抑え投手らしからぬ投球内容が続いたのだ。

 ちょっと気になるどころの騒ぎではない。2年連続の好投で疲れがたまっているのではないか、自主トレや春季キャンプの効率が悪かったのでは…と心配になる。

 だが、林昌勇サイドは「全く心配ない」といった反応だ。林昌勇のエージェントを務めるパク・ユヒョン氏は19日、「例年に比べ、ゆっくりとペースを上げているだけ。球速も出ているし、特に異変があるわけではない」と説明した。

 林昌勇は現在、オープン戦でフォーシーム・ファストボール(ストレートの一種で、球種の中で最も速く打者の手元で伸びる球)で最高球速153-154キロをコンスタントに出している。ストレートの回転数を増やすという当初の目標も、ある程度達成できているという。ただ、無理をしていないだけだ。普段の林昌勇のスタイルを考えると、今回のオープン戦では、意識的にいろいろ試すことに重点を置いているということだろう。

 林昌勇がスロースタートで余裕を見せるのにはワケがある。昨年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場するため、1月からハードなトレーニングを始めた。その結果、強い球威を保ったまま3月を迎えた。

 だが、その後遺症もあった。前半は自責点を許さない「ミスターゼロ」の名声を保ったが、後半は最後に突然崩れるケースが何回かあった。体力的にきつかったためで、その結果、背中の筋肉が凝るようになってしまった。

 今年は日本で過ごす3回目のシーズン。7カ月後にはフリーエージェント(FA)になる。だからこそ、今季は林昌勇自身にとって、非常に重要だ。チームの状況も昨年とは違う。セットアッパーだった五十嵐亮太が米大リーグに進出し、今年は林昌勇の責任がさらに増すことが予想される。

 つまり、あらゆる面でオーバーペースが絶対禁物となる1年というわけだ。2年間、その実力を完ぺきに証明してきたのだから、オープン戦でいくら不振だとしても、ヤクルトのクローザーは林昌勇しかいない。むしろ、楽な気持ちでゆっくりと調子を上げるほうが、本人にもチームにもいいかもしれない。

キム・ナムヒョン記者

スポーツ朝鮮/朝鮮日報日本語版

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