馬山のビアホール火災、保険金目当ての放火か

 慶尚南道馬山市南城洞のビアホールで今月1日に3人が死亡した火災で、馬山中央署は18日、保険金目当ての放火だった疑いが強まったとして、実行犯2人とビアホールの実質的経営者を逮捕し、取り調べを進めている。同署はビアホールの経営者が保険金目当てで放火を依頼した疑いもあるとみて追及している。

 調べによると、実行犯の39歳と45歳の男は、1日午前3時50分ごろ、火災現場の5階建てビルの1階にあるビアホールに放火し逃走したとして、現住建造物放火致死傷の疑いで逮捕された。同署は容疑者は放火に使用したシンナー、灯油の購入場所、放火過程などについて供述を確保し、当時火が燃え移った衣服などを証拠として押収した。

 捜査関係者によると、1日の鑑識作業で、1階のガス設備に爆発の形跡がなかったことから、出火原因を放火と断定した。放火実行犯が出火当時、現場付近で電話をしていたことも判明した。消防当局による現場検証でも、ビアホールの床からガソリンなどと推定される成分が検出され、放火説を裏付けた。

 一方、同署は放火実行犯が犯行直前にビアホール経営者との間で交わした携帯電話のメール内容をはじめ、ビアホール経営者がガス爆発事故発生時に数億ウォンの保険金を受け取れる損害保険に加入していた点などからみて、同経営者が保険金目当てで放火を依頼した疑いを強めている。同署はまた、火災から数日前に、店内の楽器や洋酒が別の場所に移される場面が監視カメラに映っていた点にも注目している。

 火災現場のビアホールには、ガス爆発などの際に対物補償3億ウォン(約2400万円)、対人補償で1人当たり8000万ウォン(約640万円)の保険金が支払われる損害保険に加入していた。

 今回の火災では、ビアホールが入居した5階建てビルの3-4階部分にあるモーテルで宿泊客3人が死亡したほか、15人が重軽傷を負った。建物の財産被害は約7800万ウォン(約620万円)と推定されている。

馬山=姜仁範(カン・インボム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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