裏金疑惑:起訴状内容、裁判所が変更求める

検察、「5万ドルを渡した」として起訴→元社長「いすに置いて出てきた」

ソウル中央地裁「罪となるべき事実の特定ができていない」

 大韓通運の郭泳旭(クァク・ヨンウク)元社長(70)から、5万ドル(現在のレートで約452万円、以下同じ)のわいろを受け取ったとして起訴された、韓明淑(ハン・ミョンスク)元首相(66)に対する公判で、裁判所は検察に対し、起訴状の内容の変更を検討するよう勧告した。

 検察は、郭元社長が2006年12月20日、首相公館(ソウル市鐘路区三清洞)で行われた昼食会が終わった後、韓元首相に5万ドルを渡したとして起訴した。だが、郭元社長は公判で、「昼食会の会場で、自分が座っていたいすの上に、5万ドルを入れた封筒を置いて出てきた」という、起訴事実と異なる証言をした。

 ソウル中央地裁刑事27部(キム・ヒョンドゥ裁判長)は18日の公判で、この問題について、「検察の起訴事実が、“現金の入った封筒を置く”という方法で現金を渡したということも含むという意味ならば、罪となるべき事実の特定ができていないことになる。罪となる行為が具体的に特定されているかどうか、検討してほしい」と述べた。

 一方、これに先立ち、韓元首相の弁護人は検察に対し、「起訴状の内容の変更を検討したことはないのか」と尋ね、これに対し検察は「変更を検討したことはない。“現金を渡した”という表現には、いすの上に置いて出てくるという方法も含まれる」と答えた。

鄭漢国(チョン・ハングク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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