低所得層・農漁村の小中学生に無償給食実施へ

政府・与党、2012年までに全員を対象に

就学前無償保育も拡大検討

 政府と与党ハンナラ党は、2012年までに農林水産業地域と都市の低所得層家庭の小中学生全員を対象に無償給食を実施することを決めた。この場合、現在13%となっている無償給食の割合は、26.4%に上昇することになる。また、2015年までに中産層や家計が苦しい庶民の就学前児童(0-5歳)の保育費と乳児教育費全額を支援する案を検討することにした。

 政府とハンナラ党は18日、国会で安商守(アン・サンス)院内代表や金晟祚(キム・ソンジョ)政策委員長、李周浩(イ・ジュホ)教育科学技術部次官、李庸傑(イ・ヨンゴル)企画財政部次官などが出席する中、党政会議を開いて意見をまとめた。安院内代表は「無償給食問題で民主党と争うのではなく、富裕層に与える給食費用で庶民や中産層の子供たちへの援助を増やすことにした」と話した。

 政府・与党の方針によると、2012年には生活保護対象者、次上位階層(所得が最低生計費100%-120%以内で、生活保護受給者のすぐ上の階層)はもちろん、その上の危機階層の10%までが、無償給食の恩恵を受けることになる。対象となる児童・生徒数は現在の97万人から197万人に増える。この場合、所要予算は7447億ウォン(約594億円)で、すでに支援が決定している4130億ウォン(約329億円)のほかに、追加で3317億ウォン(約264億円)を投じる必要がある。チョ・へジン報道官は、「政府・与党は大幅に増加した予算の財源を確保する対策として、政府の地方教育財政交付金を増やし、地方自治体の予算を拡大する方案を推進することにした」と語った。

 これと同時に、政府・与党は低所得層の所得を把握する際に保健福祉部が運営する「社会福祉統合電算網」を利用するなど、無償給食支援対象者が、該当者以外には分からないようにし、学校給食がない休業期間や休日に欠食する児童が出ないよう、対策を練ることにした。無償保育および乳児教育支援については、上位所得層30%を除外した残りの70%に拡大するなど、対象者を大幅に増やすことにしたが、政府側から「年間1兆ウォン(約797億円)以上が必要となる事案のため、綿密な検討が必要だ」との意見が出されたため、今後も議論を続けることにした。

 ハンナラ党が同日、「低所得層無償給食」「無償保育」の方針を打ち出したのは、民主党など野党側が先取りした「100%無償給食」問題への対抗案という性格があるとみられる。党関係者は「民主党の主張は財政状況を考慮しないポピュリズムだが、これに対する世論の支持が高いのも事実だ。選挙を前に、こうした要素も考慮せざるをえない」と語った。

 一方、民主党の禹相虎(ウ・サンホ)報道官は同日、政府・与党の方針について、「これは事実上、制限給食で差別給食だ。内容のない差別給食政策を発表したのは、無償給食を支持する世論をごまかそうという目的だ」と語った。

イム・ミンヒョク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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