「外奎章閣の蔵書返還、数カ月以内に良い結果が」(下)

フランスのジャック・ラン議員が語る

 政府レベルの約束が守られないことが表面化すると、韓国の文化団体は昨年、フランスの裁判所に外奎章閣の蔵書返還訴訟を起こしたが、棄却判決を受けた。フランスの裁判所は「文化財の略奪は認めるが、フランス国立図書館に保管された公共財産のため返還することはできない」という内容の判決を下した。

 この文化団体は判決を不服として控訴したが、専門家の間では、外奎章閣の蔵書返還問題は法律的な解決を求めるよりも、「政治的解決」を目指すべきとの意見が指摘されてきた。

 韓国政府と駐フランス韓国大使館は、G20開催を機に両国の首脳会談が予定されているだけに、政治的解決を見出すのには今年が最適の時期だと判断し、フランス側と水面下での交渉を進めている。

 この問題について韓国政府は3月初め、「永久賃貸」形式での返還要求を公式にフランス政府に伝えた。これは、形式上では「賃貸」だが、実質的には韓国が「所有」する形で蔵書を受け取るというものだ。その代わり、韓国政府は外奎章閣の蔵書に準ずる文化財を、展示用としてフランスに定期的に貸し出す計画だ。

 一方、フランス国立図書館には外奎章閣の蔵書のほか、別の外奎章閣の文化財も所蔵されている可能性があるため、この問題も同時に処理すべきだ、という主張も浮上している。

 フランス・リヨン第3大学のイ・ジンミョン教授(韓国近現代史)は18日、「1867年に作成されたパリ帝国図書館(フランス国立図書館の前身)の文書によると、外奎章閣の筆写本297冊以外に、漢文で表記された大理石版3個、屏風(びょうぶ)状の水晶でできた玉冊1冊などが記載されており、これらの文化遺産もフランス国立図書館に所蔵されている可能性が高い」と主張した。

パリ=金洪秀(キム・ホンス)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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