「外奎章閣の蔵書返還、数カ月以内に良い結果が」(上)

フランスのジャック・ラン議員が語る

 韓国とフランスの間で長年の外交懸案となっている外奎章閣(奎章閣〈歴代国王に関する文書を保管した役所〉の附属図書館)の蔵書返還問題が新たな転機を迎えている。

 今年11月、主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するためソウルを訪問予定のニコラ・サルコジ仏大統領が、政治的決断を下し、蔵書返還を決定する可能性が取りざたされている。

 サルコジ大統領の北朝鮮特使を務めたジャック・ラン下院議員は17日(現地時間)、外奎章閣の蔵書返還問題について、「数カ月以内に良い結果が得られるだろう」との考えを示した。

 ラン議員は同日、パリ駐在韓国特派員団との懇談会を開き、「ベルナル・クシュネル仏外交長官の訪韓(19-20日)を契機に、両国の友好関係の見地から、外奎章閣の返還問題について具体的な論議を進められるはず」と前置きした上で、先の発言を行った。

 ラン議員は1993年、ミッテラン仏元大統領と金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が外奎章閣の蔵書返還に合意した当時、フランス文化相だった。外奎章閣の蔵書返還問題においてフランス政府を代表する人物ではないが、フランス文化界で莫大(ばくだい)な影響力を行使する重要人物であることに加え、サルコジ大統領が北朝鮮特使に指名するほど信任を受けている人物のため、ラン議員の発言は大きな注目を集めている。

 同議員によると、「昨年10月、北朝鮮特使の資格で南北を訪問した後、サルコジ大統領にこれまで外奎章閣問題がどのように展開してきたかという経緯について詳しく説明し、問題の解決策を提案した。サルコジ大統領も、“問題の解決策を模索する”と話した」という。ラン議員はサルコジ大統領に提案した内容を公開しなかったが、彼の持論は外奎章閣の蔵書をどのような形であれ、韓国に返還すべきというものだ。

 ラン議員はまた、外奎章閣の蔵書返還問題において足かせとなってきたフランス国立図書館(外奎章閣の蔵書を所蔵する機関)司書の抵抗をどのように和らげるのかという質問に対し、「これまで長い時間が経過し、その間にさまざまなレベルで対話がなされてきた。文化機関の意思を尊重するが、最終決定権者は政府だ」と述べ、障害にはならないことを示唆した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る