北朝鮮、デノミ主導した朴南基氏を銃殺か
当局「まだ確認できていない」
北朝鮮経済を総括していた朝鮮労働党の朴南基(パク・ナムギ)前計画財政部長が、デノミネーション(貨幣呼称単位の変更)失敗のスケープゴートとして最近平壌で銃殺されたという説が浮上し、政府当局が18日、確認作業に乗り出した。
北朝鮮情報筋によると、朴前部長は、デノミの失敗で住民の不満や反発が噴出し、金正日(キム・ジョンイル)総書記の三男、ジョンウン氏の後継問題にも悪影響を与えたため、今月初めに平壌市順安区域にある射撃場で銃殺されたという。脱北者が運営するラジオ放送「自由北韓放送」も同日、咸鏡北道清津市の通信員の話を引用し、「デノミを主導した朴南基前部長が今月初め、すべての責任を取って銃殺されたといううわさが平壌で流れ始め、地方に広がっている」と報じた。
これについて、政府当局者は「そうしたうわさ(銃殺説)があるため、現在確認中だ」と語った。統一部は「公式に確認されていない」と述べた。北朝鮮は多数の餓死者が発生した1997年9月、朝鮮労働党の徐寛熙(ソ・グァンヒ)農業担当秘書を「米国のスパイ」として問い詰めた末に、平壌で公開銃殺し、住民の不満をなだめようとした過去がある。そのため、「今回の銃殺説も蓋然性がある」(安全保障関係部署の当局者)とのことだ。
このように、北朝鮮の経済官僚の中には政策失敗などの責任を問われ、処刑されるケースが少なくない。1991年に始まった羅先(羅津・先鋒)経済特区を指揮していた金正宇(キム・ジョンウ)対外経済協力推進委員長(閣僚級)は、市場経済の導入を主張していたが、1998年以降行方不明となった。その後を引き継いだ金文成(キム・ムンソン)副貿易相も、腐敗容疑で2001年に銃殺されたという。当時、代表的な経済官僚だった金達玄(キム・ダルヒョン)副総理の場合、1992年にソウルを訪問した後、北朝鮮に戻って開放を唱えたが、翌年工場支配人に左遷され、2000年に自殺したという。また、2000年代に南北経済協力の責任者だった鄭雲業(チョン・ウンオプ)民族経済協力委員長も2008年末、腐敗容疑で粛清された。
一方、「朴南基銃殺説」が事実だとしても、爆発した住民の不満や反発をなだめるには力不足とみられる。北朝鮮情報筋は、「デノミの実施から100日でコメの価格が60-70倍に暴騰したが、それでも物量が不足している状況だ。さらに端境期まで重なり、一部の地域では餓死者が出ている中で、誰か一人を処刑したからといって住民の不満が収まるわけではない」と話した。朴前部長は1984年に労働党の軽工業秘書、1986年に国家計画委員長などを務め、20年以上にわたり「経済司令塔」として中心的な役割を担ってきた。
アン・ヨンヒョン記者
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