埼玉県警が回収を始めたポスター
警察官の採用試験の開催を告知する際に使った表現が、陸上自衛隊が商標登録したキャッチコピーと似ていたとして、埼玉県警がポスターとチラシ約2万枚の回収を始めた。「コピーは完全に一致しているわけではないが、商標権侵害の恐れがあると考えた」と説明している。
県警によると、使った表現は「明日のために。未来のために。守りたい、『ひと』がいる」。2009年度採用試験分から採用し、2回目となる新年度分は約600万円をかけて、チラシとポスター各約1万枚を作製した。
ところが16日、外部からの指摘を受けて調べたところ、陸自が「守りたい人がいる」というコピーを商標登録していることが判明。17日に回収を始めた。
県警は企画コンペ形式で広告会社を選定し、09年度分と新年度分は、それぞれさいたま市内の別の広告会社と契約。コピーは「県警と広告会社で協議して決めた」としており、広告会社側が著作権や商標権を侵害しないか確認する契約になっていたという。
陸上幕僚監部広報室によると、「守りたい人がいる」のコピーは00年、陸自設立50周年を記念して考案され、01年に商標登録したという。担当者は「50周年記念ということで異例の商標登録をしていたのだと思う。(県警に対し)抗議までは考えなかったが、びっくりした」と話している。