Ubuntu Weekly Recipe
第33回 テキストエディタの活用(2):Kate
前回はGNOME環境の標準であるgeditでしたが,今回はKDE環境の標準であるKateに関するレシピをお届けします。
Kateの利点
KateはKDE環境向けのテキストエディタで,geditとは異なる魅力を持つ優秀なテキストエディタです(図1)。本来はKDE用のアプリケーションですが,あえてGNOME環境で利用するだけの機能を備えています。筆者はEmacs/vim/Kateを気分や作業によって使い分けていますが,一般的なテキストはKateで処理することがほとんどです。
geditに比べると細かな点を設定することができ(注1),豊富な機能と併せて快適な入力が可能です(ちなみに前述の通り,テキストファイルはKateで処理していますので,このUbuntu Weekly Recipeの原稿もKate上で作成されています)。特に筆者が気に入っている機能は,行頭Tabで揃えられたテキストのワードラップ処理です。gedit等では(図2)のように「ワードラップで回り込んだ分」が行頭から始まってしまいますが,Kateでは(図3)のようにTab揃えが維持されたまま回り込んで表示されます。
- ※1)
- これは主にGNOMEとKDEの設計思想の違いによるものです。GNOMEは極力同じ操作感覚を提供することを重視していますが,KDEではユーザに多くのカスタマイズ性を提供することに注力しています。細かな点まで操作感にこだわりたい場合,KDE系のアプリケーションを利用することを覚えておくと役に立ちます。
Kateは「KDE向け」アプリケーションですが,GNOME環境でもインストールするだけで問題なく利用することができます。次のコマンドを実行するか,Synapticからkateパッケージをインストールしてください。
$ sudo apt-get install kate
ただし前述の通り,Kateは本来KDE向けのアプリケーションです。Ubuntuの標準環境ではGNOMEベースのデスクトップが構築されていますので,以下の点で問題が残ります。これはKateだけでなく,KDEアプリケーションを利用する場合に共通して発生します(対処方法は以下のKateの場合と同じように行うことができます)。
- 「フォントの調整」([システム]→[設定]→[外観の設定]の「フォント」タブ)が反映されず,アンチエイリアスの調整を行うことができません。
- メニューが日本語化されていません。
これらの調整が必要な場合,次のような操作を行ってください。
Ubuntu Weekly Recipe
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- 第112回 Bansheeを使用して携帯音楽プレーヤと同期する
- 第111回 UbuntuからHDDレコーダを使いこなす(2)動画ファイルのダウンロード
- 第110回 HYBRID W-ZERO3を使いこなす(2)
- 第109回 HDDレコーダを使いこなす(1)DLNAクライアント
- 第108回 HYBRID W-ZERO3を使いこなす(1)
- 第107回 HandBrakeでリッピングしたDVDをNetWalkerで再生する
- 第106回 PulseAudioでリモートスピーカを使う
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