【萬物相】韓国人男性との結婚禁じたカンボジア

 「『車をちょっと止めて』。道を行く途中で見た/黄緑色のきれいな布にはっきりと書かれた/ベトナム…/すぐに鳥肌が立った、その下の宣伝文句/『絶対に逃げない』」(パク・ナムジュン『じゅうりんされた横断幕』)。2007年、米国務省の人身売買報告書には、韓国人男性と東南アジアの女性との間で行われる売買婚の証拠として、「ベトナム人女性、絶対に逃げません」と書かれたあっせん業者の横断幕の写真が掲載された。農村に掲げられた宣伝文句はその程度ではとどまらない。「生娘」「再婚者・障害者大歓迎」「後払い制」…。。

 「わたしを選んだ男が韓国人なのか、台湾人なのかも知らないまま、結婚を決めた」。06年に貧富の格差・差別是正委員会が発表した現地実態報告書で、ベトナム人女性が語った言葉だ。韓国人男性一人がお見合いする女性は20-30人、多ければ200-300人。一度に5-10人ずつ会い、気に入った女性を選ぶというやり方だ。お見合い・結婚式・初夜までが普通4泊5日の旅行中に済まされる。07年にはお見合いの場で全裸チェックを行った韓国人二人が逮捕された。

 韓国人による違法・非人道的なお見合いに世論が反発したことから、ベトナム政府は06年、書類だけだった国際結婚審査を強化した。区役所に当たる人民委員会が新郎新婦と面接し、10件以上の書類を提出させ、新郎の財力・家族関係・扶養能力を確かめる。韓国人に対しては特に厳しい。このため、結婚の違法あっせんをしていた約60業者はカンボジアに拠点を移し、同じことをしている。韓国人との結婚はカンボジアの国際結婚全体の60%にまで跳ね上がった。

 カンボジア政府は08年、国際結婚ビザの発給を中止した。それまで全くなかった国際結婚関連法を作るためだ。カンボジアはベトナム同様、女性連合が紹介する非営利のお見合いだけを認め、商業目的の国際結婚仲介を禁止した。韓国人が結婚相手を探す際は、少なくとも1カ月は滞在して恋愛による結婚をすることを促した。それでも違法なお見合いは減らず、昨年9月には韓国人男性が一人で女性25人とお見合いをし、摘発された。

 そしてついにカンボジア政府は3月初め、韓国人との国際結婚をしばらく禁止した。08年とは違い、韓国人にだけ適用された措置だ。韓国大使館には「韓国人との国際結婚に絡む人身売買防止策を立てるための措置」という通知があったという。韓国政府は、国に恥をかかせ、東南アジアの人々にそっぽを向かれるような国際結婚をいつまで放置するつもりなのか。

呉太鎮(オ・テジン)首席論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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