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“全治3年”何の!石井170秒でプロ初勝利
ササエ・パオゴフィー(下)を腕固めで下した石井慧
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北京五輪柔道100キロ超級金メダリストの石井慧(23=アイダッシュ)がプロ格闘家初勝利を挙げた。20日(日本時間21日)に米ハワイ州ホノルルのブレイズデール・アリーナで開かれた格闘技大会「X1」で初のケージ(金網)戦に臨み、ササエ・パオゴフィー(米国)を1R2分50秒、腕固めで破った。右肩にしびれが走る「バーナーペイン」を抱え、今年に入ってサウスポーに転向。初の海外試合となったプロ2戦目で結果を出した。
吉田秀彦に判定負けした昨年大みそかのデビュー戦から79日。プロ初白星をつかんだ石井は丸いケージの中で拳を突き上げた。大ファンという英国出身のタレント、ベッキー・クルーエルの変身ポーズまで披露して喜びを爆発させた。
かつてのイチローばりに石川さゆりの「天城越え」で入場。赤いパンツ姿の石井はデビュー戦とは打って変わり、落ち着いた様子でケージに上がった。右ローキックで様子をうかがうと、相手の右パンチを見切った1分24秒、一気にテークダウン。左腕の関節をきめて一本勝ちした。「右は使ってくるのは分かったので、うまくタックルに入れた。吉田戦で間合いが分かったし、転んでもただでは起き上がりません。勝ててひと安心です」と満面の笑みで話した。
デビュー前の昨年11月、米ニューヨーク合宿中にアクシデントが起きていた。練習で右肩をひねった際に激痛が走り、右手では茶わんも持てなくなった。帰国後の検査では「バーナーペイン」との診断。昨年6月に手術を受けた頸椎(けいつい)ヘルニアが原因の1つとされ、大みそかも痛みを抱えて戦っていた。
「治るまで3年ぐらいかかると言われた」ことに加え、左股関節痛も発症したため、1月に右構えからサウスポーへの転向を決めた。左から長いパンチを繰り出せるよう、1日6時間の練習。その成果は170秒での初白星となって表れた。
今後について石井は「無傷だし、すぐに練習を開始する。4月にも試合がしたい」と話した。海外で2試合ほどこなす予定で、国内復帰は7月以降になりそう。「吉田戦の敗戦が大きく埋め合わせができていない。課題もあるし、頑張ります」。さらに腕を磨き、くすんだ金メダルを再び輝かせるつもりだ。
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